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心霊

たちさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

置き去り
長編 2025/02/02 01:42 78view

友人4人と県内で有名な心霊スポットに肝試しに行った時の話です。

車で1時間ほどの場所にある有名な心霊スポット。私はそういう場所に遊び半分で行くのはやめようと言いましたが、半ば強引に連れて行かれました。

男性3人に女性1人。
いつも集まるメンバーで、なぜ今回肝試しをすることになったかというと友人Aが会社の先輩達とその場所の話になり、見えを張り、行ってくるということになった。その話に友人B、女性の友人Cが乗っかり行くことに…
その場所は様々な噂話が後を絶たなかった。
女性の霊を見た、多くの人に追いかけられた、子供の泣く声がした、その場所に行った後に精神的におかしくなったなど…
かなりヤバイ場所で有名だった…

そして、いよいよ肝試し当日。
車1台で向かい、徐々に心霊スポットに近づくにつれ、みんなの言葉数が減ってきて重苦しい空気が車内を漂っていた。

目的地に到着し、車から降りて徒歩で山道を歩いて向かうことになった。
心霊スポットは山の中腹にある廃ホテル。
車で向かうことはできないので僅かにある山道を歩いていくしか方法はない。
前を友人のAとBが、後ろをCと私が並んで歩いていた。
歩き始めて15分ほどして廃ホテルが見えてきた。
3階建の大きなホテル。

窓は割れて、壁には落書きや長年の汚れが目立つ。
まさにザ・廃ホテルという感じ。
ホテルに到着する頃には誰1人口を開く者はいなく、どこかヒンヤリした空気が流れる中、ただ時間だけが過ぎていった。

「で、どうする?」とAに聞くと、
「ただ、外から見てきました。じゃ、話にならないでしょ。中に行ってみよう。」とAはこちらに向かって言ってきた。
「まぁ、そうだな」
私達3人は顔を見合わせ、深く息を吐き覚悟を決めた様子だった。
ホテルの入り口は大きな扉が開いていたので容易にホテル内に入ることはできた。
中に入ると余計に恐怖は増し、空気も一段とヒンヤリしている。
4人離れないように固まりながら歩き、少しずつ建物の奥に向かっていった。
他の肝試しなどで来たと思われる人によって壁は落書きだらけで穴も開き、床は瓦礫が散乱し、歩きづらい中、慎重に進むとエレベーターが見えてきた。
当然動かないとわかっていたがボタンをAが数回押し、近くにあった階段で2階に上がるために階段を登り始めた。

チーン

2階に到着すると同時に、1階からエレベーターの音が建物内に響いてきた。
全員が驚いて、何も言えない状態で固まっていると、扉が開く音が微かに聞こえたような気がした。

「おい、どうする?」
「いや、さすがに今、下に行けないだろう」
Cは今にも泣きそうな顔をし少し震えている。
この後、どうするか迷っているとエレベーターの扉が閉まる音がした。
私達は急いで階段を登り3階へ向かった。
壊れてるであろうエレベーターなので3階までは動いて上がってこないだろうと心のどこかで思っていた。
3階に到着した頃にはエレベーターの音は全く聞こえなかった。少しだけ安堵した私達は奥に進み少し時間をおいてから階段を降りてホテルから出ることにした。
3階は1、2階ほど荒れてる様子は無かったので休憩することにし時間を潰していると、
「3階まで来れば、文句言われないだろう。」
Aは会社の先輩達に自慢する気満々。
「そうだな。さすがに!」
「だろ?俺達すげーよ。あとはすぐにホテルから出て帰ろうぜ。」
AとBの会話を私とCは黙って聞いていた。
「何も音しなくなったし、そろそろ大丈夫かな」
「よし、帰ろうぜ。」
「やっと、帰れる…早く、出よーよ…」
Cが泣きそうな声を聞き、動き出そうとした瞬間、

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