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不思議体験

たちさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

古民家
短編 2025/03/12 01:10 2,214view
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私が小学生の頃の話。
母親の実家は田舎でコンビニもなく、商店は数店舗しかない場所にあり、一年の中でも正月、お盆、連休などに訪れる程度。
周りは畑で囲まれており、隣の家までは数十メートル程離れていた。
夜になると、カエルや虫の鳴き声がこれでもかと思うほど聞こえてくる。
実家の建物は古いながらも、昔ながらの雰囲気が漂い、畳や木の柱の香りが心地よいと大人になった今は思えるだろう。
だが、小学生の私にとってはその良さがわかるわけもなく、早く家に帰りたいなーと思っていた。

私が10歳くらいの時、お盆休みを利用して母親の実家に泊まりにいった。
私と弟、母親の3人で泊まり、いつも寝る座敷に布団を敷いて寝ることに。
座敷の両サイドは襖、窓側が障子、窓の逆側は布団などを入れる押し入れになっている。
その日もカエルや虫の鳴き声がうるさかった。
ところが夜中に窓の方からトン、トンと窓を軽く叩くような音がして私は目を覚ました。
初めは気のせいかと思いすぐに寝ようと思ったがトン、トンと微かに聞こえてくる。
虫かな?と思いつつ、目を瞑るとミシ、ミシと障子と窓の間にある廊下を誰かが歩く音がした。
実家の誰かがトイレに起きたと思い眠りにつこうとしたが、あることに気づいた。
トイレは茶の間の奥にある台所の脇にある。

実家に住む人達は茶の間の脇の部屋で寝ているので私達の座敷を通ることはない。
布団に入りながら、目を開け、
「ん?じゃあ、誰だ?」
と考えていた。とてもではないが布団から出て確認しに行く勇気はない。
まもなくして、音はしなくなり、またいつものように生き物達の鳴き声しか聞こえなくなり、
「気のせいか。寝よ。」
と思い、眠りにつこうとした瞬間、体が重く感じ動かなくなった。
「あれ?動かない!声も出ない!」
初めて金縛りにかかり、パニックになっていた。
すると、どこからともなく、
プス…プス…という音が窓側からしてきた。
「なんの音?」と思ったが起き上がることもできないので確認できない。
目線を障子の方に向けるとプス…プス…という音がしてるのがわかった。
何か針のようなもので障子に穴を開けているような音。
だか、暗闇の中、状況を確認することはできない。

目線を障子の端にやると、違和感を感じた。
「ん?右端の下だけ穴が開いてる?」
1箇所だけ点のようなものが複数見えてるように感じた。
そのことに気がついてすぐに音はしなくなった。
「よかった。音、しなくなった。」と安堵した瞬間、
ブスッ!ブスッ!ブスッ!
と大きな音がして、次々と障子に穴が開いていく。
私は怖くなったが視線を外さず、ただ、開いていく穴を見ているだけだった。
障子1枚分全てに穴が開き、窓がわずかに見えるようになった。
外の月明かりに照らされ、窓の外側に人影のようなものが立っている。
隣で寝ている母親を起こしたいが、声が出ない。
はと、目線を母親から窓に戻すとそこには人影はいなかった。
一息ついた瞬間、穴が開いた障子の隣の障子全てが一斉に、
バリリ!バリ!バリリリ!と破れた。
その直後、突然1つの障子穴から腕が伸びてきたのを見て私は気を失った。

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コメント(3)
  • 怖いよ。

    2025/03/12/06:01
  • すごい怖いですね!
    私も「なわとび」投稿したので良ければぜひ…
    投票しときました!

    2025/03/12/18:41
  • 意味怖ですか?
    たぶん…推測ですけど。
    おばあちゃんが犯人だったとかそこらへんですかね?

    2025/03/12/18:43

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