これは私が子供の頃、友人の父親から聞いた話。
友人の谷地とはいつも学校終わりに遊んでいた。
ある日、谷地の家で遊ぶことになり、放課後2人で家に向かった。
谷地の家に到着すると、
「おー!いらっしゃい!」と谷地の父親が出迎えてくれた。
「おじさん、こんにちは!」と軽く礼をし、挨拶をすませた。
谷地の部屋でゲームをしていると、
「ほら、これでも食べて。」とお菓子を持ってきてくれた。
「ありがとうございます。」
「ほら、お菓子置いたら出てってよ。今からいいとこなんだから!」
と谷地が言った。
「はいはい。わかってるよ。」と言いながら部屋を出ようとすると、
「ん?こういう怖いゲームもあるのかー。」
とテレビ画面を見て呟いていた。
「いろいろなストーリーがあるんですが、少しずつストーリーが繋がってくるんですよ。」と簡単に説明した。
すると、谷地の父親が、
「怖い話、好きなのか?おじさんも好きなんだよ。1つ、怖い話あるけど聞くかい?」
「そうなんですね。せっかくだし、聞こうかな」と言うと、隣の谷地は
「せっかくゲームしてたのにー。」とブツブツ文句を言っている。
「ゲームならいつでもできるし、な?一緒に聞こうよ。」と説得させ、話を聞くことに。
「守護霊のお話。まず守護霊って、自分のことをいろいろな災難からご先祖様が守ってくれる。と大体の人は思っているんじゃないかな。」
私は小さく頷きながら話を聞いていた。
「だけど、私は守護霊なんていないと小さい頃は思っていた。なぜなら、私が他の子供達からイジメられたり、嫌なことをされたりしても何一つ助けてくれなかったから。毎日、毎日、
なんで僕だけ。なんで誰も助けてくれない。とばかり考えていた。そんなある日、不思議な体験をしたんだ。」
初めのうちはあまり興味がなかった谷地も徐々に話に食いついてきている様子だった。
「ある日の夜中、ふと目を覚ますと私は天井から自分が寝ている姿を見ていた。俗に言う、幽体離脱ってやつ。聞いたことある?
背中が天井に付きそうなところでフワフワ浮いてて自分の寝ている姿を真上から見ていた。
気がつくと、朝になっていて、いつも通り目が覚めて起きた。その時は不思議な夢だったなーくらいしか思わなかった。だけど、それ以降、不思議なことが身の回りで起き始めた。
学校でいつもバカにしてきていた奴らはその日を境に全然イジメてこなくなった。
友達も少なく、話相手がいなかった私の身の回りにたくさんの人が集まるようになり、友達が増えていった。
そして極め付けは、ボール遊びをしていて、道路にボールを追いかけていたら車が目の前に現れて轢かれたんだけど、擦り傷程度だけで済んで遊び続けたとか。
幽体離脱した日から、何かに護られている気がしていたんだ。そして気づいてしまった。私の背後に守護霊がいることに。姿はぼんやりしていてハッキリとはわからないけど多分男性。」
谷地は父親の過去の話を真剣に聞いている。
私も守護霊を見たということに驚きを隠せなかった。
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