平成2年さんは『仁義なき戦い』シリーズが好きらしいので、
東映ヤクザ映画を幾つかレンタルして、ネトフリで流しながら、いろんな会話をしていた。
「平成4年くん、夢ってある?」
「べつに。2年さんは?」
「ぼくはさぁ、俳優になりたかったんだ」
「えー意外! ヤクザじゃなくて?」
「そんなわけあるかいw
おれは死んでから今までずっと血だらけだけどさ、
ほんとはもっと綺麗な舞台を演じたかったんだ」
「蜷川?」
「違う!」
「寺山?」
「違う!」
「じゃあ何なの?」
「ぼくが想う限りのことを描く、ぼくの舞台」
それから平成2年さんは、とある台本について言及しながらこう教えてくれた。
つまり、生きる意味について。
過ごし得る価値について。
アイルランドの鬼才・ベケットの戯曲:『ゴドーを待ちながら』
En attendant Godot
Godの暗喩としてのゴドー。
【神様は来ない】
「4年くん、ぼくの描いていた夢って なんだったんだろう?
たかだか通り魔のナイフひとつで、消え去るようなものならば、
ぼくたちが描いてきた夢って いったいなんなんだろう?」
「2年さん、もう、この部屋から消えたほうがいいかもしれない。
聞こえるでしょ?」
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