大学を卒業して数年が経った頃、
旧友からLINEで『同窓会あるらしいよ』と
連絡がありました。
それまでなんの知らせもなかったのもあり
急だなとも思いましたが、まぁせっかくだからと
その旧友と当日待ち合わせして会場に行くことに。
久々に会う同じ学科だったメンバーや
サークルでつるんでいたやつらと近況や当時の話で
盛り上がり時間も忘れて酒もすすでいました。
俺がトイレに立った時のことでした。
すれ違いざまに一人の女性が俺に声をかけました。
『相変わらずうだね、これあの時渡しそびれてたやつ』
そう言って手提げの紙袋を渡してきたのは、
大学時代に付き合っていたB子だった。
別れてから以降一度も会ってない上に、連絡も途絶えてたので
正直驚きましたが、彼女も同窓会に呼ばれて当然な人物だったので
その時はそこまで違和感を感じずに少し談笑して元の席に戻りました。
遠目に見える位置に彼女がいるのを少し意識しつつ、
先ほどもらった紙袋を覗くと、当時貸していたCDや小説の類でした。
捨てずにとってたとこは彼女らしいと思いつつ、さらに周りの旧友たちと
サークルでのことや昔のやらかしエピソードで盛り上がりました。
酔いもまわりお開きの時間となって会場を出ると
もうB子の姿はありませんでいた。
先に帰ったのかと思い、俺は近くのやつらとダベりつつ
タクシー待ちをしていました。
ふとさっきん紙袋を覗き込むと、奥の方に何かあるのが見え取り出すと
それは彼女からんメッセージカードでした。
手書きの控えめながら少し癖字の丸文字が彼女の性格を彷彿とさせました。
内容は俺の持ち物を捨てられず後生大事に持ってたことへの
照れ隠しのようななんともむず痒い内容で、
怖いですね!