彼女の部屋の片隅にいた【あれ】の話
投稿者:ねこじろう (147)
長編
2024/07/03
12:04
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それからリビングのソファー前にあるガラステーブルで未菜と一緒に朝ごはんを食べていた。
その間も昨晩のあの恐ろしい異形の男やさっきの畳のシミが頭から消えない。
テーブル傍らの台に置かれた小型のテレビ画面からは、7時の地元ニュースが流れている。
「今朝2時頃、S市北部にあるK埠頭辺りで釣りをしていた男性二人組が海面に浮かぶ奇妙なものを発見し回収したところ、切断された人の手首部分だったそうです。
かなり腐乱が進んでいたようで、警察では現在身元の確認を急いでおります。」
「K埠頭といったら、ここから近いんじゃないか?」
食後のコーヒーを飲みながら、俺は隣に座る未菜の顔を見る。
彼女は興味無さげに「そうね」と呟くと立ち上がり、目の前の食器類を片付けだした。
※※※※※※※※※※
未菜のアパートを出てから車で自宅に向かう道すがら、俺は考える。
─彼女の部屋にいた時背中に感じた、あのゾワゾワとする感覚。
和室で目撃したあのおどろおどろしく異形な男の姿。
彼の訴えるような悲しげな瞳。
あれはいったい何だったんだろう?
そしてさらに今朝和室で見た畳の不気味なシミ。
いろいろ考えていると悶々としだした俺は、また彼女のアパートに行ってみようと思った。
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面白かった!
コメントありがとうございます!
─ねこじろう
もっと評価されていい作品ですよね~!
応援してます。
とく
ありがとうございます
─ねこじろう
ひきこまれました。
こういう話すきです。
コメントありがとうございます
─ねこじろう