彼女の部屋の片隅にいた【あれ】の話
投稿者:ねこじろう (147)
長編
2024/07/03
12:04
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畳部屋に置くにはミスマッチなそれに向かい、俺は歩き近付いた。
それから中腰になるとゆっくり端っこを捲り、中を覗き見る。
そして「あっ!」と小さく悲鳴を出した。
カーペットの下に隠れていた畳の表面。
そこには、赤錆た鉄のようなどす黒いシミが広がっている。
そのシミは見ようによっては苦し気な男の顔にも見える。
いけないものを見てしまったような感覚になった俺は、すぐにカーペットを元に戻した。
その時だ。
またあのゾワリとした寒気が背筋を突き抜ける。
思わず振り返り視線をやる。
その先にあるのは押し入れの襖。
俺はゆっくり近付くと、緊張した面持ちで取っ手に手をかけた。
すると、
「ご飯出来きたよ」
未菜の声がしたので俺は慌てて向き直ると「分かった」と返事をし、和室を出る。
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面白かった!
コメントありがとうございます!
─ねこじろう
もっと評価されていい作品ですよね~!
応援してます。
とく
ありがとうございます
─ねこじろう
ひきこまれました。
こういう話すきです。
コメントありがとうございます
─ねこじろう