彼女は食事の回数を減らすことにした。
その頃からだ。
ルミの体に異変が起き始めたのは……
最初は軽い吐き気やめまい程度だった。
それから日に日に衰弱していき頬が痩け目の下には青黒い隈ができる。
食事を減らし一ヶ月経つ頃には体はスレンダーどころか簡単に折れそうな枝のようになってしまい、まるでアフリカの難民のような外観に変わり果ててしまった。
会社も休みがちになっていた。
※※※※※※※※※※
そしてそれは、そろそろ桜の開花が始まる頃のことだった。
仕事を終え自宅マンションに帰ったルミは念入りに体を洗った。
というのは明日は憧れの岡田慎吾とデートなのだ。
脱衣所で体重計に乗ってみる。
三十一キロ。
彼女の体重は最初の頃の三分の一以下になっていた。
洗面台の前に立ち姿見を見る。
化粧を落とした顔は疲れはてた老婆のようだ。
首は片手で握れそうなくらいになっている。
豊満だった胸はペタンコになりくっきりあばら骨が浮き上がっており足は棒のようだ。
その時だ。
ルミは突然猛烈な吐き気をもよおす。
彼女はそのまま洗面台に顔を突っ伏すと激しく嘔吐した。
この話は怖かったですか?
怖いに投票する 32票

























怖いより、何か悲しい
コメントありがとうございます
─ねこじろう