昼のランチに食べたうどんの麺が数十本出てきて、うす黄色い胃液がだらだらと続く。
そしてその後だ。
奇妙なものが二、三飛び出してきた。
白い陶器の流しの上で、それらは生きたミミズの様にニュルニュル動いている。
「え……何これ?」
それはあのスリムコーポレーションで見た「ダイエットワーム」だった。
小指の先くらいだったのが、なんと五センチほどになっている。
灰色のヌメヌメしたヘビのような体躯を、にょろにょろくねらせている。
よく見ると蠅のような顔をしていて口の中には半透明の突起が無数に生えていた。
─こんなのが私のお腹の中で生きてたの?
確か三カ月くらいで死んじゃうとか言ってたはずなんだけど、、、
ルミは目の前で蠢く生き物たちの醜い姿を改めて見て愕然とした。
※※※※※※※※※※
翌日の日曜日は雲一つなく晴れ渡り、朝から気持ちの良い陽気だった。
ルミは念入りに化粧をすると去年の冬のボーナスで買った薄いピンクのワンピースを着て出掛ける。
慎吾とは昼前に隣町のF 駅で待ち合わせ一緒にランチをすることにしていた。
約束の時間に行くと既に慎吾は来ていた。
白のTシャツの上から紺色の薄手のジャケットにジーパン姿。
長身で細身だからよく似合う。
「駅の北側にパスタの美味しいイタリア料理の店があるんだけど、そこでいいかな?」
「うん」
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怖いより、何か悲しい
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─ねこじろう