三月一日の体重は五十二キロ。五十一キロ減だ。
これで当初の体重のおよそ半分になったことになる。
当然ルミの見た目は完全に別人のように変貌していた。
アンパンマンのような顔は色白で目鼻立ちのはっきりした細面の顔になっている。
もちろん顎と首のメリハリもはっきりしている。
そして赤ちゃんのような指は白魚のような優しげで滑らかな指に。
腹もほとんど出ておらずペタンコである。
大根のような脚はカモシカのように細くしなやかになった。
会社の人間、特に同じ総務課の社員たちの驚きようは半端なかった。
「あなた本当に、あの白鳥さん?」
まじまじと顔を見てあからさまに聞く失礼な者もいた。
そしてあの岡田慎吾も手のひらを返す。
「ルミ、もし良かったら、今度一緒にご飯でもどうかな?」
「うん、考えとくね!」
立場は完全に逆転していた。
こんなにも劇的に変身したルミだったが彼女はまだ満足していなかった。
─こんなことで安心していたらダメよ。
いつまた元の自分に戻ってしまうか分からない。
そうだ毎日三食なんか食べるからダメなのよ。
明日から朝昼の二食にしよう!
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怖いより、何か悲しい
コメントありがとうございます
─ねこじろう