「来年の夏、オレらの高校、絶対甲子園行けるぞ」
「本当か? そんな強くなってんのか?」
「あぁ、とにかく打線がスゲーんだよ」
オレたちの母校の話で盛り上がる。
熱いものが一気に込み上げてくる。
時間のたつのも忘れ、オレたちは話し込んだ。
空白の十年間を埋めるかのように。
・・・・・・
突然電話が鳴って、オレは飛び起きた。
飛び起きた・・・?
オレはいつの間にか眠っていたのか?
柿田がいなくなっている。
部屋の窓からはもう朝日が差し込んでいる。
とりあえず、鳴りやまない電話を取る。
「もしもし・・・えっ?」
それは実家の母親からの電話だった。
昨夜、柿田が病院で息を引き取った、という話だった。
オレは母親からの電話を呆然と聞きながら、
自分の部屋を眺めまわしていた。
柿田はどこにもいないし、あの大きな土産袋いっぱいのタマネギも消えている。
だが、ちゃぶ台の上にはビールの缶が置かれているし、
料理を食べ終わった後の皿も出ている。
匂いだってまだ残っている。なのに・・・
「オレは昨晩いったい何をしていたんだ・・・」
困惑し、その場にへたり込む。
母親からの電話はつづいている。
「・・・ずっと入退院を繰り返してたみたいだけど、
なんかね、今年のタマネギは出来がいいから、絶対あんたに食べさせたいって
いっつも言ってたらしいわよ」
「あぁ、知ってるよ。今年はすごく旨いのが出来てたよ・・・」
























Kama先生たまには「泣かせる」話を投稿するとは憎いですねぇ。
Kama先生たまには「泣かせる」話を投稿するとはよいですね。
すみません。二重コメントしまいました。kama先生、お許し下さい。
↑kamaです。ありがとうございます。こちらのコメント欄は投稿されるまでに時差がありますし、自分では変更もできませんので、ミスがあってもぜんぜんオッケーです。カキコミ大歓迎です。
自分の怪談は、泣ける話、感動する話、笑える話、怖い話、残酷な話、主人公がゲスな話、難しい話、漫画みたいな話と、振り幅が大きい変化球ピッチャータイプかなと思ってます。
これからもお楽しみください。
玉ねぎで涙あり、感動あり(TT)WBCで日本が優勝しましたがこちらは歓喜に溢れる涙でした。
↑kamaです。コメントありがとうございます。WBC最高でしたね!
悲しい話ですね…フィクションですか??
自分もこんな友人欲しいです、、笑
↑kamaです。コメントありがとうございます。会いたいと思っている友人、知人、親族らと永遠の別れになる時、虫の知らせと言うものがあると言われています。ボクも祖母や母を亡くした時に、不思議と感じるものがありました。お話はフィクション、ノンフィクションちりばめて、より楽しめるように作品としていますが、かならずどこかに真実を入れています。
そうなんですか?不思議ですね、、、
なるほど!だから面白いんですね!!
↑kamaです。楽しんでいただいてありがたいです。
この話を投稿2日後に弟が作った夕飯のカツ丼に沢山の玉ねぎが乗っていました。
このサイトで初めて泣きました
kamaです。コメントありがとうございます。
↑↑弟さんがカツ丼作ってくれるとは、うらやましいかぎりです。
↑泣けるの話、笑える話、怖い話、いろいろ書いております。またよろしくお願いします。
本当に良い話でした。
↑ありがとうございます。
泣けてきます。若くして大切な方を亡くす気持ち、よくわかります。自分の手で殺めたから余計に心に響きます。
柿田さんの気持ちが、泣けます。感激しました。
なんか、生姜焼き食べたくなってきた
玉ねぎ多めで( ´∀`)。