「うわー、ありがとう。でもこれ持って飛行機乗って来たのか?」
「・・・」
柿田は何も言わず、部屋にあがってドッカと腰を下ろした。
「ビールしかないけど、いいか?」
「おぅ・・・」
さて乾杯と思ったが、残念ながらツマミになるものがない。
「そうだ、そのタマネギで一品作るから、ちょっと待ってろ」
「いや、そんないいよ」
「いいって、すぐできるから待ってろ。
こんな旨そうなタマネギ、食べないわけにいかんだろ」
そう言ってオレは袋からタマネギを一個取り出すと、さっそく台所に立ち
タマネギを1センチ厚の輪切りにした。
そこに爪楊枝を挿し、形が崩れないように整えて
バターを落としたフライパンにそのタマネギを投入した。
じっくりと両面に少し焦げ目がつくように焼き、
そこに醤油、仕上げにコショウを振り、
シンプルなタマネギのバター焼きを作った。
「お待たせ。乾杯しようぜ」
「おぅ、乾杯」
「プハーッ」と一杯やったところで、さっそくタマネギを食ってみる。
「旨い!そして、甘い!・・・肉厚で味が濃厚だ」
柿田の顔がニンマリする。
「そうだろ。今年はとくに出来がいいんだ。おまえにどうしても食べさせようと思ってよ」
「なんだよ、そんなことのためにわざわざ来てくれたのか?十年ぶりに?」
「おぅ、そうよ」
なんだかジーンとして、言葉にならない。
オレは一人前になるまで北海道へは帰らないと決めてここまで来てしまったが、
柿田はどうやら一足先にタマネギ農家として成功したようだ。
「おぅ、それから・・・」
「ん、なんだ?」
Kama先生たまには「泣かせる」話を投稿するとは憎いですねぇ。
Kama先生たまには「泣かせる」話を投稿するとはよいですね。
すみません。二重コメントしまいました。kama先生、お許し下さい。
↑kamaです。ありがとうございます。こちらのコメント欄は投稿されるまでに時差がありますし、自分では変更もできませんので、ミスがあってもぜんぜんオッケーです。カキコミ大歓迎です。
自分の怪談は、泣ける話、感動する話、笑える話、怖い話、残酷な話、主人公がゲスな話、難しい話、漫画みたいな話と、振り幅が大きい変化球ピッチャータイプかなと思ってます。
これからもお楽しみください。
玉ねぎで涙あり、感動あり(TT)WBCで日本が優勝しましたがこちらは歓喜に溢れる涙でした。
↑kamaです。コメントありがとうございます。WBC最高でしたね!
悲しい話ですね…フィクションですか??
自分もこんな友人欲しいです、、笑
↑kamaです。コメントありがとうございます。会いたいと思っている友人、知人、親族らと永遠の別れになる時、虫の知らせと言うものがあると言われています。ボクも祖母や母を亡くした時に、不思議と感じるものがありました。お話はフィクション、ノンフィクションちりばめて、より楽しめるように作品としていますが、かならずどこかに真実を入れています。
そうなんですか?不思議ですね、、、
なるほど!だから面白いんですね!!
↑kamaです。楽しんでいただいてありがたいです。
この話を投稿2日後に弟が作った夕飯のカツ丼に沢山の玉ねぎが乗っていました。
このサイトで初めて泣きました
kamaです。コメントありがとうございます。
↑↑弟さんがカツ丼作ってくれるとは、うらやましいかぎりです。
↑泣けるの話、笑える話、怖い話、いろいろ書いております。またよろしくお願いします。
本当に良い話でした。
↑ありがとうございます。
泣けてきます。若くして大切な方を亡くす気持ち、よくわかります。自分の手で殺めたから余計に心に響きます。
柿田さんの気持ちが、泣けます。感激しました。
なんか、生姜焼き食べたくなってきた
玉ねぎ多めで( ´∀`)。