タマネギ (加筆修正版)
投稿者:kana (210)
東京の片隅。六畳一間のオンボロアパート。
遠くから聞こえる虫の声に風情を感じながら
オレはやっと眠りにつこうとしているところだった。
「ガン、ゴン、ガン」と、大きな足音をさせ、
アパートの外階段をあがってくる奴がいる。
「今時分、どこのどいつだ・・・」と思っていると、
そいつはオレの部屋の前に立ち、
「ドンドンドン」とドアをノックしてきた。
「おーい、佐藤~・・・いるんだろ? オレだぁ柿田だぁ、開けてくれ~」
「柿田だって? な、なんであいつがこんな時間に?」
オレは飛び起きて、下着姿なのもかまわずドアを開けた。
そこには、すっかりおっさんになったものの、間違いなく柿田だとわかる顔があった。
「オイオイ、ホントに柿田かよ、久しぶりだなぁ・・・」
オレと柿田は北海道で生まれ育った幼馴染だ。
高校時代には野球部でバッテリーを組んだこともある。
オレが投手で、やつが捕手だ。
オレたちの野球部は北海道内でも強豪校のひとつとは言われていたが、
この地区にはさらに化け物の強豪校がいくつかあり、
甲子園常連はいつもそいつらに奪われて、万年敗者に甘んじていた。
高校を卒業してからのオレは、東京に出て調理師の専門学校へ通い、そのまま就職。
柿田は実家のタマネギ農家を継いで、それから十年の月日が流れていた。
「こんな時間にいったいどうしたんだよ、まぁ、汚いトコだけどあがれや」
「おうっ、土産持って来てやったぞ。ほら」
そう言うと柿田は、手に持った大きな土産袋を広げて見せた。
中には袋がパンパンになるほどのタマネギが入っていた。
「ウチで採れたタマネギだ。採れたてだぞ。大玉の最高品質のやつだ」
確かにそれは立派なタマネギだった。
まさに今朝採ってきましたと言わんばかりのものだ。
一応オレも調理師免許を持つ身であるから、この素材がそこいらで売ってる
並みのタマネギとは違うことは一目でわかった。
Kama先生たまには「泣かせる」話を投稿するとは憎いですねぇ。
Kama先生たまには「泣かせる」話を投稿するとはよいですね。
すみません。二重コメントしまいました。kama先生、お許し下さい。
↑kamaです。ありがとうございます。こちらのコメント欄は投稿されるまでに時差がありますし、自分では変更もできませんので、ミスがあってもぜんぜんオッケーです。カキコミ大歓迎です。
自分の怪談は、泣ける話、感動する話、笑える話、怖い話、残酷な話、主人公がゲスな話、難しい話、漫画みたいな話と、振り幅が大きい変化球ピッチャータイプかなと思ってます。
これからもお楽しみください。
玉ねぎで涙あり、感動あり(TT)WBCで日本が優勝しましたがこちらは歓喜に溢れる涙でした。
↑kamaです。コメントありがとうございます。WBC最高でしたね!
悲しい話ですね…フィクションですか??
自分もこんな友人欲しいです、、笑
↑kamaです。コメントありがとうございます。会いたいと思っている友人、知人、親族らと永遠の別れになる時、虫の知らせと言うものがあると言われています。ボクも祖母や母を亡くした時に、不思議と感じるものがありました。お話はフィクション、ノンフィクションちりばめて、より楽しめるように作品としていますが、かならずどこかに真実を入れています。
そうなんですか?不思議ですね、、、
なるほど!だから面白いんですね!!
↑kamaです。楽しんでいただいてありがたいです。
この話を投稿2日後に弟が作った夕飯のカツ丼に沢山の玉ねぎが乗っていました。
このサイトで初めて泣きました
kamaです。コメントありがとうございます。
↑↑弟さんがカツ丼作ってくれるとは、うらやましいかぎりです。
↑泣けるの話、笑える話、怖い話、いろいろ書いております。またよろしくお願いします。
本当に良い話でした。
↑ありがとうございます。
泣けてきます。若くして大切な方を亡くす気持ち、よくわかります。自分の手で殺めたから余計に心に響きます。
柿田さんの気持ちが、泣けます。感激しました。
なんか、生姜焼き食べたくなってきた
玉ねぎ多めで( ´∀`)。