「最近、右肩が異常に凝って困るのよ」
職場の同僚がお昼休みに肩を回しながら話し出しました。
「へええ、肩こりなんて訴えたことなかったのにね。四十肩って
やつじゃない?」
ついに私たちもそんな症状が出るお年頃になったのかと、二人で溜息を
つきました。
「でもねえ、何か変なのよね」
同僚は釈然としない様子でスマホをいじっています。
「変とは?」
気になったので詳しく聞いてみることにしました。
彼女は左利きで、特に左を酷使するのに右肩が凝るのはおかしいと言うのです。
「それに、ネットで調べても四十肩の症状と微妙に違う気がするしね」
私はぼんやりと彼女の右肩の辺りを観察しました。
何となく、邪念が付いているような気がしたので確認しました。
「ねえ、今彼氏と上手くいってるの?」
同僚はサッと顔色を変えました。
「ちょっと今、距離を置いてるんだけど向こうはヨリを戻したいみたいで」
なるほどと思いました。
人間の身体の右半分は異性を表し、左半分は同性を表します。
女性が男性から恨みを買ったりすると、身体の右側に異変が現れます。
「彼氏と話し合いをして、仲直りすると治ると思うよ」
同僚は複雑な顔をして聞いていました。
それから1か月後、同僚はハツラツとして話してくれました。
「あの後さ、彼氏と久しぶりに会ってよーく話し合ったんだけど
お互いに誤解していた部分が結構あってね。全部片付いたんだ!」
私もそれを聞いて一安心です。
「で、肩こりはどうなのよ?」
彼女はキョトンとしています。
「そういや、治ってるわ!」
「それは良かったね」
私はカフェラテをゆっくり飲み干しました。
同僚が彼氏と話し合い上手くなってよかった。