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意味怖(意味がわかると怖い話)

件の首さんによる意味怖(意味がわかると怖い話)にまつわる怖い話の投稿です

廃棄物処理会社社員の手記
短編 2022/10/14 21:21 3,171view
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僕は民間の廃棄物処理会社に勤務している。
 勤続3年目になった時、社長室に呼び出された。
「――やあ、忙しいところすまないね」
 社長はいつも通りにこにこしていた。
「そろそろ、夜の業務もお願いしたのだが、どうだね」
「夜勤なんかあったんですか?」
「重要な企業秘密に関わる廃棄物の処理でね、人を選ぶんだ。残業代上乗せするよ」
 骨を埋めると決めた会社だ。評価されて嬉しくない訳がなかった。
「任せて下さい!」

 二週間ほど過ぎて、帰宅後に呼び出された。

 なるほど、こういう形でやるなら気付かない訳だ。
 出社した僕は、事務所に入る。出勤していたのは、作業着姿の社長ともう1人の先輩社員だけだった。
「――いらしたよ」
 僅かに開けてあった門を通り、暗い色のワゴン車が一台、敷地に入って来た。
 運転していた男は、社長にきっちりと一礼する。顔に傷があり、眉毛が途切れていた。
 ワゴン車には、2メートルはないぐらいの長さのナイロンの袋に何かが入っていた。
 僕と先輩2人で持ち上げる。
 ずしりと重く、柔らかい。
 先輩は大柄で力もあるので、運ぶのにそれほど手間はなかった。
 僕は先輩と一緒にそれを薄暗い処理場の粉砕器に通し、カケラを焼却処分した。

 その後、2月に1回か2回ぐらい夜勤はあった。
 4年ほどしたある日。
 夜勤に来ているのは社長だけだった。
 先輩が遅いのは珍しいな、と思いつつ着替えていると。
「遅くなりました!」
 3年ほど前に入社した後輩が、姿を現した。

 立場がいつの間にか先輩になっていたのか。
 すぐ例のお客さんがやって来た。
 消したままの車内灯でよく見えないが、今日もナイロンの袋が積まれている。
 テコでも欲しくなりそうな大きさだが、ここは先輩として頑張らなければ。

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関連タグ: #夜勤
コメント(2)
  • 語り手の行く末…

    2022/10/16/14:28
  • お疲れ様です。

    2022/10/16/17:36

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