涼子は遊園地の従業員だ。従業員の仕事は、多
岐にわたるが、涼子は点検の作業が得意だった。これまでに、いくつもの異変を見つけて事故を未然に防いできた。
点検作業はいつも夕方閉園前に行う。それまでは、お客さんに乗り物に乗る案内役を任されている。
涼子はある日、いつものように乗り物の案内役をしていた。そのときに、その乗り物を誰かが先に修理していたことに気づいた。
涼子は未然に事故が防げてほっとした。
前のページ
1/1
この話は怖かったですか?
怖いに投票する 2票
解説※ネタバレ
↓
↓
↓
↓
涼子は遊園地の点検作業をしているときに、たまたま不備を見つけてそのことで感謝されたのが嬉しくて、自ら不備を造り、それをあたかも初めてみたように振る舞っていた。
その日は、涼子は調子に乗って乗り物に不備を造った。しかしその報告を忘れていた。そのことに気づいたのは遊園地で案内役をしているときだった。
しかし、乗り物は無事であった。つまり、涼子が点検を終わり閉園してから開園する間に何者かが修理したということだ。
点検する前に修理されたということは、涼子が乗り物に不備を造っていたのを知っていた人物がいるということだ。
そして、そのことをその自分は報告しなかったということは、その人物もまた修理がしたかったのである。
もしかしたら、涼子と同じように褒められるのが目的だったのかもしれない。