知人Aの体験談。
Aは社会人になった後に一時期、某資格取得のための専門学校に通っていた。
ある日、授業前に教室に入ったAがテキストなどを机に出したりしていると、
前の席にいたSが振り返り話しかけてきた。
SはAと同年代らしい男性で、学校での成績も良いようだったし、
性格的にも真面目そうな男だった。
だった、というのは、S自身は周囲とあまり会話をしたりしないタイプで、
それまでAと私的な会話を殆どしなかったからだ。
Aは、Sはただのクラスメイトで不動産関係の仕事か何かをしているらしい、
くらいしか知らなかった。
なのでそのとき、Sが急に話しかけてきてAは少々戸惑った。
戸惑うAにかまわず、Sは自然な態度で、しかし殆ど一方的に話を進めた。
その内容は
・先日、なぜか急に近所の公園に行きたくなった
・行ってみたら公園の真ん中のベンチに一人の男が座っていた
・その男はそのころTVのオカルト系とか心霊系とかいわれる
番組によく出ていた人で、霊視的な能力があると自称しており
質問者にアドバイスしたり除霊などしているという
Bという人だった
・BはSに「私は今日ここであなたに会うために来たのです」
と話始め、いろいろな話を聞かされた
ということだった。
Aはなにがなんだかわからないままにあたさわりのない相槌を
うちながら話を聞かされ続けるしかなかった。
やがて授業開始時間となり講師がやってきて授業が始まった。
そのとたん、Sは唐突に話を打ち切りAに背を向け授業を受け始めた。
Aはなにがなんだかわからなかった。
てっきりSから最後には、結局BはSに何を言いに来たのかの
説明が聞かされると思っていたのだが、結局、
そういった結論とかオチとかなく投げっぱなし状態で話が終わったし、
そもそも東京とかでもない地方都市のAやSが住んでいる町に
TVによく出ているBが来ていたというのも信じがたいし。
授業中、Aは悶々とした気分だったが、授業が終わると
Sは何事もなかったかのように席を立ち帰ってしまった。
Aはあっけにとられたが、Aとしては結局さっきの話は、
AがSとそれほど親しくないからこそ、あたりさわりやあとくされが無い相手として
からかい気味に話をしてきたのではないか、と考えた。
というかそう考えることにした。そうでないとわけがわからなすぎるので。
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