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不思議体験

GENGOさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

夏祭り
長編 2022/03/17 19:34 8,098view
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知人Aの小学生の夏休みのときの体験談。

子供のころのAは父と母、二歳違いの兄との
4人で暮らしていたが、
毎年、夏休みのうちの何日かは少し離れた田舎にある
祖父母の家を訪れるのが恒例だった。
だがある年、兄がスポーツをやり始め毎日の練習参加を欠かさなくなった。
父も仕事が入り、母も父兄の面倒を見るのならば家にいなければならない。
さらに、祖父も仕事の関係で数日間家を離れることになり、
その期間が、例年は祖父母の家に行くころと重なっていた。
なのでその年は行くのをやめようかとの話も出たが、
祖母も寂しいだろうし、A一人で祖父母の家に行って来たら、

ということになった。
祖父母の家までは30kmくらいはあったが、
電車からバスに一度乗り換えれば到着する。
小学生なら行けないこともない場所ではあった。
なによりA自身が祖母に会いたかったので、一人で行くことになった。

8月のある日の朝、父母たちに見送られて電車に乗ったAは
昼前にはバス停まで来ていた祖母に無事に迎えられた。
だがそこから意外な展開になった。

祖母曰く
「ばあちゃんの親戚の村で今、村の夏祭りをやっている。」
「今日はこの家にじいちゃんもいないし、

 よかったらばあちゃんと一緒に行かないか?」
「ただし祭りに行ったと聞いたら行けなかったA兄が悔しがるだろう。
 父母兄には絶対に内緒にするのなら、だけれども。」
とAに言い出したのだ。
Aは知らない村の祭りに興味を覚え、誰にも言わないから、と約束した。
祖母と自分だけの秘密を持つ、ということを面白くも感じたのだ。
一旦祖父母宅に行き祖母の荷物をもったあとにAと祖母は
次に来たバスに乗り込んだ。
祖母にどこまで行くのか、と尋ねたところ祖母は
Mという村だと答えた。
M村の名前はどこかで聞いたことがあったが、
まだ小学生だったAには、
たしかどっかにあるとか聞いた村、というだけの村だった。

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コメント(1)
  • 青春ですね

    2023/07/16/18:41

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