落ち武者や自害した婦女子の血で赤く染まる川
投稿者:だれパンダ (31)
私の地元には日本有数の心霊スポットとされる城跡があります。
多分名前を挙げれば「ああ、あそこ……」と、誰もが唸るかもしれません。
発端は戦国時代に遡ります。
私の地元では激しい合戦が行われ、多くの武者が命を落としました。
敗戦を悟るや城主の妻子は自害。
当時城があった、山の滝壺に身を投げました。
この山が心霊スポットとして恐れられていると知ったのは大人になってからです。
子供の頃は小学校の遠足で毎年訪れては、山頂でお弁当を広げていたので、なんだか複雑な気分でした。
家族で川にでかけ、キャンプをした事もあります。
覚えているのは家族で遠足に来た際、何かのきっかけで正規ルートを逸れ、険しい獣道に迷い込んだことです。
岩や木の根でゴツゴツした起伏の激しい道は、平らに均された山道を行くより変化に富んで楽しく、アスレチック気分で歩いていたのですが、途中で小さい滝にさしかかりました。
獣道の途中に滝があるなんて、とまだ子供だった私は驚いたのですが、あとからそこは城の女子供が身を投げた場所だと知ります。
その山を下る川は小学校のそばにも繋がっており、当時の担任が「合戦の時はこの川も武者や女子供の死体で埋め尽くされたんだよ」と教えてくれました。
ところで、お祝い事の時にお赤飯を炊きますよね?
我が家でもお祭りやお祝い事の時はお赤飯を炊くのですが、地元ではこのお赤飯の由来は、「死体の血で赤く染まった川で米を洗ったから」とされています。
自害した女子供や落ち武者の亡骸が片付けられてからも、その川の水は赤く染まり続けました。
彼らの怨念か祟りでしょうか。
合戦から終わってから数年間は赤いままだったそうで、事実か嘘かわかりませんが壮絶な話です。
幸か不幸か私自身は不思議な体験をしていませんが、「山のてっぺんで人魂を見た」「甲冑がガシャンガシャン鳴るような音を聞いた」と、同級生たちは口々に言っていました。
特に印象的だったのは高校生の時の出来事です。
隣のクラスの悪ガキたちが深夜に肝試しに行ったのですが、途中山道で転んで頭を打ったとかで、1人が病院送りになりました。
彼が病院のベッドで証言したところによると、「血まみれの手に足首を掴まれた」らしいです。
前後の友人たちは「木の根に躓いたんだろ」「見間違えだ」と笑い飛ばしたそうですが、本当にそうでしょうか。
後日退院した彼は、事実を確かめる為に1人で肝試しのコースを辿りました。
彼が転倒した地点にはたしかに木の根が盛り上がっています。
「やっぱり見間違えか」と拍子抜けしたものの、何かがひっかかって木の根に目をこらし、ぎょっとします。
ちょうど彼が足をひっかけた所でしょうか。木の根の表面が、五本の指の形に腐っていたのでした。
家族での遠足のオチは?木の表面が指の形の様に腐っているところのどの辺りが怖いのでしょうか。