お恥ずかしい話なんですが、私は中学生の頃まで暗闇が苦手でした。
毎日二階のリビングで夕食を食べたあとに、三階の自分の部屋に上がるのですが、それすらも怖いくらいでした。
当時はテレビでUFOなどのオカルト系や心霊系の番組がよくやっていて、特にそういう番組を夕食時に見ていた日は、母親に先に部屋に行ってきてもらい、電気をつけさせてから私が部屋に上がるという徹底ぶりを見せていました(笑)
なぜここまで暗闇が怖かったのかと言うと、家に幽霊がいると思っていたからです。
というのも、一階の玄関には人感センサーの照明があり、それが人がいない時にも点灯することがよくあったんです。
母親がそれを「うちには幽霊おんねん」と冗談で言ってきたのを、ずっと信じていたというわけです。
中一の頃のある日の夕食後、私はその日の宿題が入ったカバンを一階に置き忘れてきたことを思い出しました。母親に頼んでみましたが断られ(当然ですね)、仕方なく自分で取りに行くことになりました。
一階は照明が自動でつくので、そこまで怖くないはずだと思いました。
暗い階段を降りていきます。だんだんと怖くなっていき小走りになりました。一階につきました。電気がなぜかつきません。しかもカバンも見当たりません。
まずは電気をつけよう、とセンサーに触れるように体をくねくねと動かしていたらなぜか目の前に母親がいました。
暗闇の中でも、その母親は目を見開いて顎が外れたような口になっているのがわかりました。見たこともない顔なのにそれは紛れもなく母親でした。
声も出ませんでした。そのまま二階に駆け上がり、母親に泣きつきました。
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