「俺、落武者見たことあるよ」
そう話し始めてくれたのは、会社経営をされている金田さん。
約10年前、仕事からの帰り道で経験した出来事だそうだ。
絵に描いたような田舎道を車で走っていた金田さん。
ヘッドライトが照らしている進行方向に高い建物はなく、両脇にはその先の空まで見える田んぼが広がっていた。
ウインカーを出し左に曲がり少し進んだ後、今度は右に曲がる。そしてすぐに左。しかし、見覚えのある道に出てしまった。
「あれ?間違えたか?」
1番最初に左に曲がった道に戻っていたのだ。
窓を開け今曲がってきた道を見ると目の前に、突然それは現れた。
「鎧みたいなのを着た落武者が居たんだよ!頭のテッペンが禿げてて後ろの髪を結ってるやつ!たまげたよ!」
しばらく道を進み遠回りをすると、すんなり目的地に到着した。
「あいつのとこに案内されたのかなぁ」
道を間違えてしまった際には、後方にご注意を。
(※仮名を使用してます)
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