競馬で勝つ方法を見つけたA君

これは俺が体験した話だ。

俺は競馬が好きでよく友達（A）と一緒に行ってた。
特に現地でやるのが大好きで、そいつも好きだった。

小学校からの腐れ縁で変な奴だった。

基本的に勉強が全然できないんだけど、数学だけは
なぜかめっちゃくちゃできた。小学生の頃から高校数学やったりしてた。

でも十で神童十五で才子二十過ぎれば只の人というように普通の大学行って
普通に就職して普通に過ごしてた。まぁ共通の趣味っていえば競馬ぐらいだった。

俺もAもお互い別に気を使わなくていいし、なんとなく話せるしそんな感じでつるんでた。
馬券の買い方も一緒だった。どっちも穴党だから穴からしか買わない。

俺もＡもそんな感じだった。

給料全部突っ込んだりするやつだったからいろんなところに借金しまくってた。
数学ができるのになんでギャンブルは絶対勝てねぇってわかんねんだよと言ったけど
「一発当てたら辞める」とか言ってた。
でも一向に当たらないの。まぁギャンブルだからね。俺もそんなことわかってやってるし。

いつもみたいに競馬場でＡと競馬してた
１、2レースを惨敗で終わらして３レースで一勝負しようと思ってた時だった。

俺「何から買う？」

Ａ「やべぇよ俺競馬勝つ方法見つけちまったあれ見ろよ」

Ａが指さした方向にはなんもいなかった。

俺「おいなんもいねーじゃん。お前からかってんのか？」

Ａは「？」みたいな顔してた。

俺「もういい俺買ってくるから」

いつもみたいに投票カード書いてた時だった。

隣でＡもカード書いてたんだだけどその投票カードなんかおかしい。
日本語なんて全く書かれてないし。数字だって書かれてなかった。
例えるなら400字詰めの作文用紙？みたいな感じだった。

俺「なんだよその紙ｗ」

俺が話しかけても反応しなかった。一瞬俺の顔チラッてみたかと思ったら
すぐ紙になんか書いてる。文字には見えなかった。俺はもう無視して
券売機に自分の投票カード入れに行った。馬券は当然出てくる。