屋根の穴
投稿者:だれパンダ (31)
私が小学校3年生の夏の嵐の夜、雷が我が家に直撃しました。
停電し、コンセントを繋いでいた家電製品は全てショートして壊れてしまいました。
翌日、父が雷が落ちた場所を確認すると、2階の屋根の角が黒く焦げていました。
私は2階の窓から屋根に登る父の様子を眺め、その雷が落ちた箇所の内側にあたる押入れの中を開けてみました。
すると、高い天井の先にちょうど人の顔の大きさくらいの穴が空いていたのです。
ここが雷が落ちた場所かな? と思って、押入れの中板に登り手を伸ばしましました。
その瞬間、穴からひょっこりと2つの大きな目が現れたのです。
最初は父が雷の穴から覗いているのだと思ったのですが、よく見るとそれは自分と同じ年頃の女の子だったのです。
おかっぱ頭で異様に目が大きくて、見つめ合ううちに頭の中が冷たくなっていくような心地がしました。
正確な時間は分かりませんが、おそらく30秒ほど見つめ合った後、急に怖くなって押入れから飛び出しました。
女の子がいる穴の場所には父がいるのではないか。
窓に駆け寄って屋根に登る父の姿を確認すると、先程と変わらない様子で確認作業を続けていました。
まだ昼下がりの時間帯だったと思うのですが、なんだかどっと疲れてしまい、気がつくとその場所で居眠りしてしまっていたようです。
目を覚ますと夕方でした。
タオルケットが体にかかっていたので、父がかけてくれたのだと思います。
私は先程の押入れが気になり、そっと開けてみました。
ところが、見上げてみても穴が見当たりません。
おかしいなと思い、中板によじ登って立ちあがった瞬間。
ゴチン!
頭に激痛が走りました。
そこには押入れの入口と同じ高さから続く天井があったのです。
さっき穴が見えたときは、中板に立ち上がって手を伸ばしても届かないくらい天井は高かったはずなのに。
両親に見たことを話しても、笑って「夢じゃないの?」と言われました。
あれはいったいなんだったのでしょうか?
私のみた白昼夢だったのでしょうか。
妖怪の可能性