裏山の神社の階段
投稿者:友無 (10)
田舎の小さな村にある小さな○○小学校。
そこには一年生から六年生の29人の生徒が通っています。
若い人は都会へ出てしまい少子高齢化の波にぶつかっている最中の小さな村です。
生徒の数は年々減り続け、数年後には学校存続が危ういのではないかと噂される小学校です。
そんな○○小学校の裏には大きな山があり、そこに通う小学生の遊び場になっています。
大きな山には小さな神社があり、神社に続く長くない石段で遊ぶのが日課になっていました。
ある日一人の小学生が「石段の数を数えよう」と言い出しました。周りの小学生たちも「暇だからやろう」と言って、数人で石段を数え始めました。
「29!」「29だ」とみんなが口を揃える中、「28」一人の子だけ数が違いました。
「もう一回数えてこいよ」と、もう一度数えると「28」もう一度数えても「28」何度数えても28にしかならないので「もういいよ」と飽きれた口調でその日は解散しました。
次の日、「28」と言った小学生は学校に来ませんでした。昨日数えた石段の下で亡くなっていました。
石段を一緒に数えたことを警察に伝えましたが、死因不明で事故処理されました。
警察の捜査が落ち着いた数か月後、石段を数えた全員で神社に集まりました。あの日のことが忘れられずにモヤモヤしていたからです。
石段を数えたことは事件に関係ない、と思いたい小学生たちはもう一度みんなで石段を数え始めました。
「29」「29」数人がぽろぽろと小さな声でこぼした瞬間、「27…」一人だけ明らかに数がおかしいんです。
「もう一回数えてみろよ」「え?27?」周りの子が戸惑う中、もう一度数えても「27」さらにもう一度数えても「27」周りの子も不振に思い、上から一段ずつ同時に数えることにしました。
「1、2、3…」そして「27」で一人の子はピタリと止まりました。
「おい28と29数えてないじゃん」周りの子たちが騒ぎ始めた時、「無い…見えないんだ…28と29…あるの?」と。
その子の目には、27段目と歪んだ地面がまるで笑っているかのように見えていたそうです。
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