ある日、友達から「5歳の子供がおかしなことばかり言う」と、相談を受けました。
友達の子供(以下、Aちゃん)は、先日5歳になったばかりなのですが、誕生日を迎えてから急に、「前は違うお家に住んでた」「岡山県に住んでた」「お父さんとお母さんと私と妹の4人で暮らしてた」など言うようになったそうです。
しかし、Aちゃんは生まれてから今までずっと同じ家に住んでいて引っ越しはまだ一度もしたことがありませんし、岡山県に住んだことなんてありません。
それに、Aちゃんのきょうだいは、妹ではなくお兄ちゃんしかいません。
他にも色々と「○○(某商業施設)に遊びに行ったことがある(行ったことがない)」「○○っていう友達がいた(そんな名前の知り合いはいない)」「おじいちゃんとおばあちゃんが○○県に住んでて、○○県に旅行に行ったことがある」など、不思議なことばかり言うAちゃんに、友達はすっかり参ってしまったようでした。
友達から「どうしたらいいと思う?病院とか連れて行った方がいいのかな」と言われ、私は「こういうのって、前世の記憶を思い出しってやつなのかな」と、思ったのです。
テレビか何かで前世の記憶を思い出した子供を見たことがあり、その子供とAちゃんの様子が似ていたので、友達にそのまま伝えました。
すると友達は最初は「前世なんてそんなのある訳ないじゃん」と笑って信じなかったのですが、それから数日後、「ちょっと一緒に行ってほしい場所があるんだけどいいかな」と、真剣な様子で電話してきたのです。
どうやらAちゃんは具体的な地名を出して、しきりに「ここに行きたい、会いに行かなきゃ」「ここに連れてって、言いたいことがあるの」と言うようなのです。
友達が「誰に会いに行くの?何を誰に言いたいの」と聞いたところ、「前世で私の家族だった人達に、今こうして生きてるよって言いたいの」と、答えたのだとか。
その時のAちゃんの言葉遣いや表情が、普段の5歳のAちゃんとはかけ離れていたこともあり、友達は「本当に前世の記憶があって、前世の家族に会いに行きたいのかもしれない」と思ったようでした。
後日、友達とAちゃん、そして私の3人で、岡山県へと出かけました。
電話番号は分からないので、岡山県の某市にある、○○さんという名前のお宅まで、取り合えず直接行ってみて、会えるなら会って話しをすることにしたのです。
岡山県の某市に到着すると、○○さんの家まではAちゃんの案内で向かいます。
Aちゃんは、生まれてから一度も岡山県に来たこともないはずなのに、迷うことなくすいすいと歩いていきました。
そして10分程歩いて、Aちゃんの言う通りの場所に、○○さんのお家があったのです。
友達が意を決してインターフォンを鳴らすと、友達より少し年上の女性が出てきました。
女性は見知らぬ私達に対して不審そうにしていたのですが、Aちゃんが女性に「お母さん!○○子だよ!会いにきたよ!遅くなってごめんね」と聞いたことのない名前を叫ぶと、ハッとした顔をしたのです。
「立ち話もなんですから入ってください」と、女性が家に上げてくれて、4人でリビングで話すことになりました。
友達が事情を説明すると、Aちゃんは「○○子は海で溺れて10歳で死んじゃったんだよね。息が出来なくてとってもとっても苦しかったけど、でも今のお母さんとお父さんのところに生まれ変わって幸せだよ」と言いました。
Aちゃんの言葉を聞いて、女性は「○○子…、○○子が亡くなった理由と年齢が一致してます…、本当に○○子なのね…」と言って、泣きだしてしまったのです。
女性が落ち着くのを待ってから改めて話しを聞くと、Aちゃんの言っている内容と合致している点がたくさんあることが分かりました。
Aちゃんが知らないはずの、○○家の家族の思い出話しなどが出てきて、友達も女性も私も、Aちゃんの前世が○○子ちゃんということを信じざるを得なかったのです。
その日は、はしゃぎすぎたのかAちゃんがいつの間にか寝てしまったので、帰ることにしました。
女性から「他の家族にもAちゃんを会わせたい」と言われ、友達も事情が事情なので会った方がいいだろうと言い、後日会う約束をしていました。
初めてAちゃんの前世の家族と会ってから3週間後、もう一度、Aちゃんと前世の家族が会う機会が設けられました。
その時、私はついて行かなかったので友達からのまた聞きになるのですが、話しは相当盛り上がったようです。
それからもAちゃんと前世の家族は何度か会い、その度に思い出話しをしていたようでした。
その不思議な交流は、Aちゃんが7歳になるまで続きました。
しかし、7歳の誕生日を迎えた時、Aちゃんが突然、前世の記憶を失ってしまったのです。
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