夢の中の不思議な老婆
投稿者:足が太い (69)
ある時から、不思議な夢を見るようになりました。
夢の中の私は現実の私よりも年老いていて、鏡に映る顔は見知らぬ老婆でした。
老婆は足を引きずりながら森の中を歩いていて、ある場所で立ち止まります。
そこには、たくさんの墓標が立っていて、土がこんもりした箇所がいくつもあるのです。
まるでそこに人が土葬されているかのように…。
夢はいつもそこで目覚めます。
不思議で怖い夢だなと思いながら過ごして、半年経った頃、1人でハイキングに行った森の中で、夢の老婆を見かけました。
老婆は私の横を通り過ぎ、けもの道を入っていったのです。
一瞬しか顔を見れませんでしたが、確かにあの老婆でした。
もしかしたら、老婆は夢で見たあの場所へ向かっているのかもしれない…。
気になった私は、こっそりと老婆を追いかけました。
足を引きずりながらも老人とは思えないスピードで森を歩く老婆を必死に追いかけていると、不意に視界が開けた場所に出ました。
そう、そこは夢の中で見たお墓で…。
そこで、体がガクッと揺れて、目が覚めました。
どうやらいつの間にか眠っていたようです。
「今日の夢はいつもとは違ったな…」
そうつぶやいたとき、違和感に気づきました。
そう、私はなぜか、泥だらけで靴を履いたまま、自分の部屋のベッドで寝ていたのです。
服のあちこちに葉っぱがついていて、まるでさっきまで森の中にいたような恰好をしていました。
あれが現実だとしたら、あそこで老婆は何を…?老婆の正体は一体…?
後日、もう一度同じ場所へ行きましたが、今度は老婆に会えませんでしたし、お墓も見つかりませんでした。
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