もう20年以上も前のことになりますが、転勤族だった私は九州の長崎に赴任して営業の仕事をしていました。
長崎はとても温暖で海に囲まれた魅力の多いところ。そんな場所で営業車を駆って、県内を飛び回る毎日を送っていたのです。
しかし、長崎でもどうしても避けて通りたい場所があります。それは西海橋というところ。
佐世保市と西海市を結ぶルートにある橋なのですが、当時は有料道路がなかったために佐世保で仕事をした帰りに必ずそこを通らざるを得ません。
実はこの西海橋は自殺の名所で浮かばれない人の霊がうようよしているという噂が耐えませんでした。
ここから海までかなりの高さがあるのですが、海流の激しい海に墜ちてしまうと浮かんでくることがないという伝承。
少し霊感のある私が昼間にここを通っても、やはり気分が悪くなってしまっていました。
その日は、佐世保での仕事を終えるたのは、21時過ぎ。できるならこのルートを避けたかったのですが、高速道路を使っても、ここを通っても帰宅時間はあまり変わらず。経費削減の煽りもあり、西海橋を通ることにしたのです。
途中で腹痛に襲われ西海橋近くにあるドライブインのトイレに駆け込み、再び営業車に乗り込ます。
そしてエンジンをかけてアクセルを踏み込もうとした時に誰がが私の足を掴む感触が!
そう車の中で私の足元に髪を振り乱した男性の霊がボワーっと浮かび上がり足を掴んでいたのです。
「ウワーっ」と大声でさけんだのですが、冷静になり、真言を唱えて、その霊は消えてくれました。
この時の体験は恐ろしく、今でも忘れられません。
※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。