空き家のはずなのに
投稿者:御用邸 (4)
今となってもなんだったのかはっきりしない不気味なエピソードです。
当時、田舎の小学生だった私は友人たちと地域の公園でよく野球をしていたものでした。
その公園の近くにあった空き家での話です。
野球をしていると時折、ボールが空き家に飛んでいきます。
まだ明るいうちはなんてことないのですが、暗くなってくると薄暗さがさらに輪をかけその空き家は不気味なものでした。
とある日、夕暮れも過ぎ、そろそろ終わろうか!とみんなで話してから投じたラスト一球…見事に打ち返され空き家の中へ。
なんだかんだ長いこと野球をしていたぼくたちも空き家の中にボールが入って行ったのは初めてでした。
窓ガラスはとうの昔に割れており、窓枠だけが残されています。そこからボールは家の中に入っていきました。
入ろうと思えば侵入できるのですが、今まで不気味だからみんな中に入ろうとは思わなかったんですね。
でもその日は中に入って行ったんです。ボールを探しに。
当然、小学生のぼくらはビビっていました。辺りは暗くなってきています。当時はスマホの明かりなんてものもありません。田舎なので周囲の明かりもありません。
初めて空き家に足を踏み入れたぼくらはあまりの不気味さに震えていました。
そしてボールを探しに奥へ進もうとしたとき・・・
「バンッ!!」
という物音が部屋の奥から。
もうただでさえビビっていたぼくらはすぐに逃げました。
中にあるボールはもうどうでも良くなっていました。
そのあとぼくらはちょっと野球をやるのを控えました。何より公園の近くの空き家が怖かったので。
数日後、そんな恐怖も和らいできたぼくらは何事もなかったかのようにまた野球をしに公園にいきます。さすが小学生ですよね。
みんな面白半分でまた空き家を見に行きます。
そこでみんなの血の気のひく出来事が。
空き家の前にはあの時中に入ったはずのボールが転がっていました。
・・・あれ?中に誰かいるの?
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