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心霊

れりさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

作り話
短編 2025/04/06 03:24 346view

早速ですが僕の作り話を話していきます。

完全オリジナルです。僕は中学生の頃同年代の女子をからかおうと霊感があるふりをしていたことがあります。「この教室の隅っこなにかいるよ…あんまりみないほうがいい…」など黒歴位もいいとこですが、当時はこんなのも効果抜群面白くてしばらく作り話を続けてました。そんなしょうもない事を始めて少ししてからのことでした。友達が「わたしも視線を感じた」といい始めました。僕は恐怖心でそう思うようになったかあるいは僕に乗っかることにしたのだろうと思いました。言うまでもなく霊的な気配なんて一度も感じたことはありませんでした。さらに数日後、こんな話を耳にしました。「教室隅には霊がいて目が合うと呪われる」僕は何かがいると言っただけで、そんな設定は考えても話してもいません。「誰が言ったの?」と尋ねると、同じクラスの友人を指さしました。たしかにクラスメイトをからかう僕の近くでニヤニヤしていた気がします。怖くなる付け足しなら大歓迎でした。もとより作り話ですから。それからまた少し経ったある日のこと、僕は部活後に忘れ物をしたことに気づき教室に取りに行きました。当時の僕の席は前から3番目の窓際でぼんやり校庭を眺めることができるいい位置でした。さて引き出しから目当てのプリントを回収した僕は立ち上がって、そのまま硬直しました。いるんです。いえ目で見たわけではありません。見ていないからこそ動けないんです。背後に何かがいてそれは僕をみているんです。気づかないうちに先生かクラスメイトが入ってきたのかと思うほど何かがいることの確信がありました。しかし、教室のドアは前後どちらも閉まったままでした。木造の古い校舎では開け閉めする際にガラガラと音が鳴るはずです。そんな音はまったく聞こえませんでした。強烈な視線はしかしすぐ真後ろからという訳ではありませんでした。窓際の僕の席の数メートル後ろの、そう場所で言うならちょうど僕が話した…気づいて耐えられなくなりけれど振り向く度胸のない僕は、「誰?…」と尋ねました。が微かな期待も虚しく何の返事もありません。葛藤の末僕は横歩きをし後ろを見ずに教室を出ることにしました。ギ…ギ…と床を踏む音が嫌に耳に響きました。視線は同じ方向からべったりと僕の背中に張り付いてきます。ドアまであと4メートル…3メートル…2……1、強烈な気配を背負いつつも無事教室から出ることに成功します。視線が外れたと感じた瞬間猛ダッシュで校舎を駆け抜け家に帰りました。それからは何も起こらず、夕飯を食べ終わる頃にはあんなにビビっていた事を情けなく思うぐらいでした。よくよく考えてみれば自分で生み出した、いもしない霊に怯えるなんて一人相撲もいいとこです。そうあれは錯覚だ思い込みだもう忘れたい、そしてなにより恥ずかしいので僕が誰かにその体験を話すことはありませんでした。後日教室で、また別の友人に話しかけられました。「ここでるらしいじゃん」極力すみを見ないようにしていた僕は思わず「やめてくれ…」そう言いました。しかし、これまで散々人を怖がらせて遊んでいた僕が見逃してもらえるわけもありませんでした。その友人は言いました。「この教室の隅には霊がいて、目が合うと呪われるそして、話しかけると連れて行かれるらしいよ…」僕は人生初の絶句というもの経験しました。また増えてました。もちろん僕ではありませんし、以前付け足した友人の仕業でもありません。あの日の事は誰にも話していないのですから、それなのに増えた設定は「誰…?」と話しかけた僕を知っているかのようでした。あの場には他の誰も居なかったのに、誰も居なかった誰も居なかったんです。あれは勘違いであの場に僕以外の何かは居てわならないんです。だって全部作り話なんですから。恐怖に駆られた僕は思いつくままに言いました。「そいつは常に移動するからもうここには居ないよ」と、僕がそれに関する噂を耳にすること以降一度もありませんでした。幸いにも今日までそいつに一度も再会してません。気のせいだと偶然だとそう思おうとしています。けれどつい考えてしまいます。それなりの月日が経ってどんな設定に進化しているのか、そして移動し続けて一体今はどこにいるのだろうと、いつかそいつにあの隅にいるかもと思ってしまった人のところに行くなんて設定ついたどうしようと、落ち着かなくなることが今でもあります。そうなったときに、僕のところに来る確率を下げたくてこの話をすることにしました。ごく僅かな人数でもいるかも…と思ってくれたら少し気が休まります。僕はあの日以来霊感のあるふりや、いもしないものの話は二度とできなくなりました。ネットに投稿される怖い話の中には、きっと実体験の中に後力作や渾身の出来の投稿も紛れていることでしょう。

それは、はたして本当に作り話でいてくれるでしょうか?長くなりましたが僕の作り話はここで終わりです。皆さんもどうぞ気をつけてください。

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コメント(1)
  • 改行しよう。

    2025/04/08/01:42

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