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心霊

小夏さんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

深夜の訪問者
短編 2025/04/06 04:20 945view

ある晩、とても怖い体験をしたので聞いて欲しい。

その日は、何てことのない普通の日で、仕事から帰って、晩ごはんを食べてお風呂に入って、22時頃にはベッドに入って寝ていた。

夢だったのか、それとも本当に幽霊の類だったのか、寝ぼけていたので時間は分からなかったが、とにかく深夜にぼんやりと目が覚めた。

…起こされたと言ってもいい。

自分が寝ているベッドの周りを数人の何者かが取り囲んで、ヒソヒソと小声で何か話しているのだ。

わたしは、仰向けになって寝ており、ぼんやり目を覚ました時にうっすら目を開けたが、部屋の電気は付いておらず、一瞬目を開けたことは気づかれずに済んだ。

恐怖で身が固まり、頭の中がパニックになった。

その何者か達は、コソコソと部屋の中を調べているようで、気配から読み取った感じだと、恐らく四人ほどの男女だった。

起きていることに気づかれたら何をされるか分からないと思い、寝たふりを続けることしかできなかった。

そいつらは、最初こそコソコソしていたが、段々と話し声が大きくなり、ドスドスとうるさく部屋を歩くようになっていった。

まるで、わたしに気づかれてもいい、目を覚ましてやる、っていうかもう、気づいているんでしょ?とでも言うように。

パチっと部屋の電気を点けられた。

しかし、わたしは意地でも目を開けるわけにはいかない。

超眠りの深い人を演じ切ることを決心し、「ん~」とか気持ちよさそうな寝息を吐きながら寝返りをうち、顔を枕で隠した。

そいつらの会話内容が耳に入ってくる。

「この辺全部見て回るから」

どうやら、わたしの住むアパート周辺にある家々を同じように調べているらしかった。
目的は不明。

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