私が幼い頃に体験した実話です。
……と言っても、私自身にはほとんど記憶がありません。 母から聞いた話です。
私がまだ小学2年生くらいの頃。
ある日の夕方、私は家で昼寝をしていたそうです。
母が夕食の支度をしていると、玄関のチャイムが鳴りました。
当時、私たちは団地に住んでいて、訪ねてきたのは上の階に住んでいた、私の友達のおばさんだったそうです。
そのおばさんは、自分勝手で、おせっかいで、人の迷惑をあまり考えないところがあり、母も以前から少し困っていた人でした。
「あら、忙しかった? ごめんなさいね!」
そう言いながら入ってきたおばさんは、小柄で少し太め。 すっぴんに長い髪を無造作に束ねた、いつもの姿だったそうです。
そして、豪快に笑いながら、母に木箱を差し出しました。
「これ、うちに代々受け継がれてきた人形なのよ! もううちには必要ないから、○○さん、もらってよ!」
木箱の中身は見えません。
母は、その言葉を聞いた瞬間に嫌な予感がしたそうです。
もともと母は怖がりで、心霊現象なども信じるタイプ。
「いや、そんな……代々受け継がれてきた人形なんて、そんな大事なもの、もらえないわよ」
そう言って断ったのですが、
「あら、遠慮しないで! うちにはもう必要ないんだから!」
と、半ば無理やり木箱を押しつけられてしまった。
そしておばさんは、いつもの豪快な笑顔のまま帰っていったそうです。
……なんとも自分勝手な人です。
母は困り果てながらも、
(明日、返しに行こう)
そう思い、とりあえず木箱を玄関に置いておくことにしました。
ところが――。
それから数分後。
先ほどまで普通に眠っていた私に、突然異変が起きたそうです。
私は急に苦しみ始めました。
母が異変に気づいて声をかけると、
「熱い……苦しい……」
そう訴えていたそうです。
慌てて体に触れてみると、異常なほど熱い。
体温を測ると、39度。




























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