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不思議体験

fudousanyaさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

病院
短編 2025/02/02 15:59 80view

これはまだ私が20歳になる前の事です。

親友の家が喫茶店してまして、そこでアルバイトをしていましたので

夜は友人といつも一緒に飯食ったりしてました。

友人の祖父が入院しまして、「ちょっと見舞に行きたいから付き合って」

と言われ共に病院に行きましてね。

夜のお見舞いなんでもう病院の外来も終わり、夕食が終わった時刻です

玄関から入り、その祖父の病室に行くのに暗い廊下を歩いていきまして

「あの階段昇ってすぐだから」と友人が階段を指さしたんですよ。

そうしたら私の耳元で突然「シュー・・」と聞こえ始めたんです

私は立ち止まりました。

「シュー・・・シュー・・・・シュー」て聞こえます。

友人が「どうした?」と聞くので「聞こえないか?この音」て言ったの

ですが「なにが?」と友人には聞こえていないようです。

耳元の音が少し遠くなって目の前の階段から「シュー・・シュー」と

聞こえ始めた時点で私は友人に

「ごめん。俺は待合室で待ってるよ」と言いました。友人も「判った」

と階段を昇って行ったのです。

私は玄関のほうに引き返しました、なんとなく判ったんです。

半年前に死んだ父が「ここから先に行くな」と引き留めたんだと思いました

あの「シュー・・」と言う音は父が最後に付けていた人工呼吸器の音

なんです。喉を開いて管を入れるので話せない・・肺に強制的に空気

を入れる音なんです。決して廊下や階段から聞こえる音ではありません。

それ以来、今まであの音を聞いた事はありません。すでに新しい人口呼吸機

が普及して「あの音がする呼吸器」はもう見なくなりました。

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