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不思議体験

fudousanyaさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

河原
短編 2026/03/16 12:24 57view

三途の川って見た事あります? 私はあるんですよ。でも記憶が曖昧でして

だって小学校の一年生になった1学期の終わりですから・・

入学してすぐだったのですが、その日の朝、起きたら猛烈に寒くて

私はガスストーブの前で蹲ってしまっていましてね。

母親があわてて車に乗せて病院に連れていくと「急性肺炎」と診断されて入院です。

夏休み過ぎて運動会の時期に退院できました程でしたから重傷だったのでしょうね

このストーブの前から病院のベットに寝るまでの間の記憶なんですけどね。

河原に居るんですよ。自分が

川の幅は20mほどで浅いのか深いのか判らない、清流ともいいがたい

流れはそこそこあるみたい。だから素足で入る気にもなれない

水辺から石ころが敷き詰められた河原は結構広いのですけど、なぜか後ろが見れない

河原を含めた川の全容は記憶に無いのですが目の前の川だけは目に焼き付いてる

人は全然見えないし川の特有である水の音も聞こえない。

と言うことは、実際は河原も川も水辺も無くて、そう見えているのかもしれません。

なにせ「無音」なんですよね。

そして客観的に自分が見えているのです。

後ろを振り向けないので前にしか進めない。そこで水辺をもう一度見る

「深いのか?」「渡れるのか?」「流されないか?」「冷たいのか?」と思うのです。

そこで私はしゃがんで水に触ろうとしたんですけど「コラ!」といつの間に傍に来たのか

知らないオジサンが声を掛けてくるんです。

和服で丹前、草履履きのオジサンが「触ってはいかん」と言うんですよ。

顔を上げてオジサンを見るのですけど、コラと言った割には怒ってるようには見えない

でも水を触ろうとすればまた「コラ」と言われるんだろうと思い、仕方ないので立ち上がる

オジサンは困ったように私を見ると首を振りました「やれやれ困った」と言うように

そして私にこう言いました

「お前の背丈ではこの川を渡れないよ。だからそこから絶対に動くな」

オジサンは背中を向けて川と平行に行ってしまいました。

渡れないし後ろにも行けない。どうしようもない私の背中を私が見てるのです。

突然、真っ白な天井が見えて、現実に私は病院の個室ベットで目を開けているのです

夢を無理やり引き剥がされたような感覚があるんですよね。

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