僕が高校生になった頃には、もうメールよりもLINEが当たり前になっていました。
ある日の夜、塾から帰ってきて、いつものようにスマホを開いたんです。
すると、1件のLINE通知が届いていました。
送り主は、知らないアカウント。
プロフィール画像には、景色のいい場所で一人の女性が立っている写真が設定されていました。
こちらに背を向けて立っているのか、写っているのは後ろ姿と、少しだけ覗く横顔だけ。
顔の輪郭はぼやけていて、はっきりとは見えません。
「迷惑アカウントかな」
その時は、それくらいにしか思いませんでした。
何気なくトーク画面を開いてみると、文章は一文字も送られてきていませんでした。
あるのは、10秒ほどのボイスメッセージが1件だけ。
普段の僕なら、知らない相手から送られてきた音声なんて絶対に再生しません。
気味が悪いですし、いたずらかもしれませんから。
でも、その時だけは違いました。
理由は今でも分かりません。
「聞いた方がいい。」
そんな考えが、ふと頭に浮かんだんです。
自分でも不思議なくらい自然に、再生ボタンを押していました。
最初の数秒は、何も聞こえませんでした。
録音に失敗したのかと思った、その時です。
ザァ……。
一定のリズムで何かが打ち寄せるような音。
少し遅れて、風がマイクをかすめるような音も聞こえてきました。
誰かの声は入っていません。
ただ、その音だけが10秒ほど続き、最後は突然途切れました。
「……なんだこれ」
何度聞き返しても、結局何の音なのか分かりません。
でも、一つだけ妙に気になることがありました。
プロフィール画像に写っていた女性です。
さっきまで何とも思っていなかったその写真が、なぜか急に気味悪く見え始めたんです。





























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