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不思議体験

Tochikaさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

顔
短編 2026/08/05 12:18 36view

「こいつ、マジで劣等種なんだよ」
「は? 意味わかんないんだけど」
唐突な暴言に、里美は勇吾を睨みつけた。

俺は、『里美とちょっと険悪になってるから、間を取り持ってくれ』と勇吾に宅飲みに呼ばれた。
俺たち3人は幼なじみだから、俺が適任といえばそうなのだろうが。

でも、少し酒が入っただけでこの暴言――仲直りする気あんのか、こいつ。
そもそも、話し合いをするのになんでハイペースで飲んでるんだよ、こいつら。

「落ち着けって、”劣等種”は言い過ぎだろ、何があったんだよ」
理由を聞けば大したことないんだよ、こういうのは。

「こいつさ、顔を消せないんだぞ。 そんなの劣等種だろ」

勇吾は早くも酔ってるようだ。

「今どき、顔を消して何するわけ? そんなことするの、子供の時だけでしょ」
里美も言い返しているが、『顔を消す』の意味が分からない。

言葉の意味を考えている間も、ふたりの言い合いは白熱し続けている。
酒の勢いもあって尚更だ。

「ちょっと待ってくれ」
大きめの声でふたりに割って入った。
考えても分からないから、直接聞くしかない。
「『顔を消す』って何? 説明してくれ」

俺が意を決して聞くと、ふたりは呆然と顔を見合せていた。

そんな反応をされるようなことか?

「いや……言葉の通りだぞ」
勇吾が右手で軽く顔を撫でると片目が消えて、ただの肌があった。
続いて、鼻、左目――最後に口。

俺は血の気が引く感覚というのを理解した。

反射的に里美の方を見た。
里美は落ち着いた様子で俺の方を見ていた。
言葉の出ない俺は、勇吾の方を震えた指で示すのがやっとだった。

「は? あんたも勇吾の味方なわけ?」
何を勘違いしたのか、里美は険しい表情で俺を睨みつけていた。
勇吾の顔が消えたって伝えたいだけなのに。

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関連タグ: #声#子供#酒
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