埋まっていたおじさん
投稿者:ねこじろう (147)
長編
2024/09/22
04:22
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僕の小学校は山の麓にあった。
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一学年に一クラスしかないような小さな学校だ。
通っているのは周辺の農家の子たちばかりだった。
僕の家も農家で、学校のあるところよりも、まだ山の中に入ったところに家があった。
※※※※※※※※※※
ある日授業が終わっての帰り道。
僕はいつものルートを歩きながら帰っていた。
木々が両脇に並ぶ狭い砂利道を一人、ザクザクと道に長く伸びた影を見ながら歩いていると、どこからだろうか人の声が聞こえてくる。
「ぉ-ぃ……ぉ-ぃ……」
─おや?
立ち止まり耳を澄ましてみる。
どうやら右側の雑木林の方からのようだ。
勝手に山の中には入ってはいけないと先生たちから言われていたのだが、とても困っているような声だったから、僕は道脇の林の中に分け入った。
※※※※※※※※※※
林の中は鬱蒼と彼方まで木が立ち並び、薄暗く静かだった。
時折名も知らない鳥の声が聞こえてくる以外は、ガサガサという僕の枯草を踏みしめる音だけが聞こえてくるだけだ。
「ぉ-ぃ……ぉ-ぃ……」
途中何度か立ち止まりながら、僕は声のする方に向かって歩き続けた。
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面白かったです!
早速のコメントありがとうございます。
━ねこじろう
組の人に見つかって埋められちゃったのかと思いきやまさかの人面植物への転生、ぜひもう一度埋め直して養生してあげて欲しい。
なるほど、それも面白いですね
━ねこじろう
さい後におじさんの首から下は根っこだと言うことが、とても怖くてトラウマになりました。