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withさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

俺が目を酷使しないよう心がけている理由
短編 2021/11/09 23:08 1,394view
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高校の頃、スマホゲームばかりやり込んでいた廃人のような俺だったが、今では1日二時間くらいに決めている。なぜかと言うと、眼精疲労も影響しているがもう一つ大きな理由があるからだ。

とある日、半日くらいゲームをやっていたときのこと。ずっとスマホを至近距離で睨んでいたせいか、急に視界がボヤけて目が霞んだ。目を擦って瞬きをすると、視界の端で何か物陰が動いた気がした。

「ん?」

振り向いてみるがただ散らかしたゴミがあるだけで特に何も動いていない。これが違和感の始まりだった。

その日から何回か目が疲れている時に限って視界の端に影が映りこむ。当時は相当疲れてるな程度の認識で、それでもゲーム依存からは抜け出せなかった。

ある日、また同じように影が見切れていたので、何を思ったのかタイミングを見計らって振り向いてみることにした。

そうと決まればいつも通りゲームをして過ごし、目が疲れた頃にやってくる影を待つことにした。夕方、親が夕飯の支度を始めると、俺は部屋にこもってベッドに寝そべり仰向けでゲームに没頭する。

すると目が疲れだし、例の視界の端の影がぼんやりと浮かんできた。

(きた!)

不思議と歓喜し、視線をスマホに向けた態勢のまま首だけ真横に振り向かせた。

そこには満面の笑顔で歯茎をむき出しにした女が添い寝するようにして、顔だけこっちを向けいていた。

「うわあああ」

俺は悲鳴をあげてスマホを放り投げ、ベッドから転がり落ちた。

一階から母親が「うるさいよー」と叫んでいたが、俺は放心状態のまま何もいないベッドを凝視して固まっている。そこには何もないし、誰もいない。

数十分後、母親が夕飯の呼び出しにくるまで俺は部屋の隅で動けないままでいたが、母親と一緒に逃げるようにリビングに飛び出した。

それ以来、俺は目が疲れないようにゲームはひかえ、メガネもかけるようにしてなるべく目を酷使しないように心がけている。あの視界に映りこむ影がまた現れないように。

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