夜道で何者かに追いかけられた話
投稿者:with (43)
夜中の二時、俺は友達の家から帰宅している途中だった。
なんでこんな時間に夜道を歩いているのかと言えば、友達が急に先輩に呼び出されてすぐに家を出ないといけなくなったからで、徒歩ニ十分程度の距離に住んでる俺は帰宅を余儀なくされた。
さすがに深夜になると人の気配なんてのは一切なく、辺り一面が真っ暗だった。
いつも見慣れた街並みはすっかり魔境じみて、さすがに恐怖心が湧いてきたが泣き言はいってられない。
早くトイレにも行きたいし、肌寒いから家に帰って布団に包まろうと思ってた。
そんな折、後方から妙な息遣いが聞こえたんだ。
『ハァ、ハァ、ハァ』
そんな感じの息遣い。
まるで息の荒い変質者が獲物を見つけたように。
背筋がゾクッとしたのを覚えている。
もしかして、後ろを尾行されている……そう直観した。
妙な息遣いと混じって『コッ、コッ』と小さな靴音も聞こえる気がする。
俺は少し早足になって歩き出す。
すると、何故か後ろの気配も同様に『コツコツコツ』と足早になり、『ハッハッハッ』と息遣いもはっきりとしてくる。
ああ、これは完全に尾行されている。
男の俺がまさか変質者に付け狙われるとは。
そう思いつつ、俺は後ろをちらりと覗く。
いったいどんな奴が尾行しているのか。
暗くて見えないだろうが、輪郭くらいはぼんやりととらえられるかもしれないと思ったが、俺は自分の目を疑った。
何か随分とくっきりとした楕円形の光源が地面を高速で這っていた。
残像を残し、高速で揺れ動きながら俺の方へ向かっていたのだ。
そして光源の方から『待て!』と野太い声が聞こえた。
俺はビクっと肩をはねて、翻し、即行で走り出した。
光源が地面を這ってたということは、今の野太い声も地面を這っていると思ったからだ。
それはもう人間じゃない。
妖怪の類だ。
俺の頭の中では、四つん這いの何かがシャカシャカと手足を動かして這い寄ってくる姿が浮かんでいた。
『ハッハッハッハッ』
随分と間隔の短い息遣いがもうすぐ後ろまで迫っていた。
自慢では無いが、俺は高校までは陸上をやってたし、足も速い方だ。
それなのに、光源を発する妖怪もどきは俺との距離を縮めているのだ。
箸休め的な話で嫌いじゃない
夜中の2時に犬の散歩とかコワイですけどね。
漏らしたのはいただけない。
恐怖にかられると、想像力が膨くらむ事を立証できましたね。
通し勤務明けのタクシー運転手やろ。
私も似た体験ありますw ちびる気持ちわかります…