「こんなノート……お前なんか友達じゃない!バケモノだ!! 消えろ!!」
泣き叫びながら、ペンで記子さんが書いたページや恐ろしい顔の絵を、1ページ残らずグチャグチャに黒く塗りつぶした。
【ルール②:記子さんが書いたページには落書きをしてはいけない】
【ルール③:記子さんのノートには悪口を書いてはいけない】
ルールなんて、もうどうでもよかった。
私は校舎の裏へ走り、ライターでノートの端に火をつけた。
【ルール④:絶対に燃やすのもダメ】
黒く塗りつぶされたページが、メラメラと赤い炎に包まれていく。
膝をつき、荒い息を吐きながら焦げていくノートを見つめた。
何も起きない。罰なんて来ない。私はあの呪いを打ち破ったのだ——そう思おうとした、次の瞬間。
突如として、校庭を吹き抜ける突風が荒れ狂った。
「え…」
強風に煽られた炎が、龍のようにとぐろを巻き、猛烈な勢いであふれ出す。
舞い上がった激しい火の粉と熱風が、私の制服の裾に、一瞬で燃え移った。
「熱い! いや、熱い!! たすけ——」
熱炎が身体を包み込む。地面を転がっても、火は消えるどころか、まるで意志を持っているかのように全身を焼いていく。
その時だった。
ゆらゆらと猛烈に立ち上る炎の奥底に、私は見てしまった。
赤い炎の中に、全身の皮膚が赤黒く焼け爛れ、ドロドロに溶け落ちた少女の影が立ち尽くしているのを。
あのノートに描かれていた絵そのままの姿。髪は焦げ落ち、顔の皮が爛れて崩れ、眼球だけがじっと私を見つめている。
——そうだ。記子さんは、仲間はずれにされた絶望の果てに、このノートを片手に自らに火を放ち、焼身自殺を遂げたのだ。
「あっ、ぁ……」
声にならない悲鳴が漏れる。
記子さんの呪いは、最初から「火」とともにあったのだ。
視界が赤く染まり、肉が焦げる匂いと激痛の中で、目の前の炎からじっと私を見つめる爛れた少女の口元が、ニタリと歪んだ気がした。
私の耳元に、あの懐かしくも冷たい丸文字の声が直接響く。
『約束、破っちゃったね』























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