きらびやかな音楽と甘いポップコーンの匂いに包まれた遊園地。友人Aはその日、記念にとパーク公式の「フォトサービス」を使い、1日を満喫していたそうだ。
午前中は、プロのカメラマンがパークのシンボルの巨大な時計台前で、ドラマチックな一枚を撮ってくれた。
午後は、キャラクターのグリーティング施設で、ぬいぐるみを抱えたAと、キャラクターが寄り添うショット。
そして夕方には、アトラクションのクライマックスで自動撮影されるライドフォト。どの写真も、Aの楽しい思い出を鮮やかに切り取ってくれるはずだった。
それから数日後のこと。
Aのスマホにパークの公式アカウントから「ご購入いただいた写真データの準備ができました」と通知が届いた。Aはワクワクしながら添付されたURLをタップし、私に専用の閲覧ページを見せてくれた。
しかし、画面に表示された写真を見て、Aと私は顔を見合わせた。
時計台前での写真。青空の下、満面の笑みを浮かべる友人Aの数メートル後ろに、何やら不自然なモヤのような「黒い影」が染みのように写り込んでいる。
私は、「これ、何?」と聞いたが、オカルトや幽霊の類を信じてないAは、「フィルムの汚れか、データが破損したんっしょ」と、軽く流した。
次のキャラクターとの写真を開いた。 ……キャラクターの足元から這い上がるように、黒い影の輪郭がはっきりと形を成している。
それは、濡れたような黒髪を垂らし、こちらを呪うように睨みつける青白い顔をした女の子だった。
私は、「ねえ、なんかおかしいよ。パークに問い合わせてみようよ」と言う。
しかし、Aは、まだ信用してないのか、虚勢を張っているのか、「…い、いや。大丈夫っしょ。は、は、は…」と、僅かに声を震わせながら答えた。
Aは最後にアトラクションのライドフォトを開いた。 そこには、笑顔でライドを楽しむA。
しかし、その「すぐ左」にひっそりと座り、カメラ越しにこちらを睨みつけるあの女の子の姿があった。
最初の時計台前では遠くに小さく立っていたはずなのに、キャラクターとの写真では少し近づき、最後のライドフォトではAの左隣に座っている。
――撮った時間を追うごとに、女の子がどんどんAに近づいてきている。
あまりの気味の悪さに、Aはパークのカスタマーセンターへ「こんな怖い悪戯加工をするな」と苦情の電話を入れた。
しかし、担当者は「そのような加工や演出は一切行っておりません」と淡々と否定するばかりだった。
納得がいかないAに、数日後、パーク側から「確認のため、無料で再度データを送ります。」とダイレクトメールが届いた。添付されていた写真データを開くと、
そこにはやはり、黒い影やあの青白い顔をした女の子がハッキリと写り込んでいる。

























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