でも、飲みに誘われた時だけは、
あの駅に訪れるのが嫌で断っていた。
それでも、時間が経てば忘れていく。
人間は不思議なもので、どんなに怖いことでも、何も起こらなければ少しずつ記憶から薄れていく。
数ヶ月もすると、僕はほとんど思い出さなくなっていた。
⸻⸻⸻⸻
そんなある日。
その駅で友人と待ち合わせることになった。
久しぶりに会う友人だった。
待ち合わせ時刻より少し早く駅に着いた。
ホームに上がる。
しばらく待っていると友人から連絡が来た。
「着いたよ。どこにいる?」
僕も、
「ホームにいるよ」
と返す。
すると、
「こっちもホームにいるけど?」
と返事が来た。
どうやら僕たちは、同じ駅に着いたものの、別々のホームにいたらしい。
僕は線路の向こう側を見た。
友人がこちらを見ている。
僕も手を上げた。
お互いに目が合う。
友人が、
「そっち行く」
というジェスチャーをした。
僕も頷いた。
友人は階段へ向かった。
僕はその場で待つことにした。
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