私「私もこれにしようかな!」
そう言って一緒のドーナツを買って石段に座り込んで食べた。
味は思った以上に美味しかった。
目を輝かせる私を見て、ゆなちゃんは嬉しそうに笑った。
それからと言うもの私はそのパン屋に行くたび同じものを買っている。
そんな小学生の優しい思い出。
それを今18になった私は、今でもずっと仲のいいゆなちゃんにふと電話越しに話したのだ。
私「あれからさー、ほんとあのパン屋行くたびそればっかり買ってるんだよね笑」
ゆなちゃんは数秒考えてから言った。
ゆな「え?私、別にそれ好きじゃないしそんな記憶ないけどな。」
私は呆気に取られてしまった。
私「え?じゃあ、ヨーヨーとかわたあめとかも覚えてないの?」
ゆな「いや、その時のことは覚えてる。だけど本当にそのドーナツのことは知らない。それに私、、」
少し間をあけて言う。
ゆな「それ食べたことないし。」
その言葉を聞いて息を呑んだ。
じゃあ、あの時一緒にドーナツを食べたのは誰だったの?
確かにあの日、私は最初から最後までゆなちゃんと二人きりだった。
他の子と話した記憶などない。
ドーナツを食べた時のゆなちゃんが私に言った、
「おいしいでしょ!」
その時の笑顔を思い出し、背筋に妙な寒気が走った。
しかし私は、これ以上考えないようにした。
これ以上あの思い出を歪んだものにしたくなかったから。
これは、私があの夏に実際に体験した実話です。
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