そんな車中は、10代の男女のトークに花が咲いており、
外の雰囲気とは真逆と言っていいほど、明るいムードに包まれていました。
そして、トーク内容はこれから向かう心霊スポットの話題になりました。
「昼間は観光地として有名みたいだよー」
「私、行ったことある!めちゃでかい滝があるとこでしょ?」
「そーそー!その滝の前につり橋かかってるんだけど…」
「だけど?」
「夜になると、そのつり橋から飛び降り自殺する人がいるんだって。」
「まじー?!その幽霊が成仏できずにでてくるみたいな?」
「たぶん、夜でもそのつり橋には誰でもいけるみたいだから。」
「てことは、そのつり橋を目指せばいいってことか!」
そんな会話で車内が盛り上がっていると、車は目的地へ到着しました。
観光スポットということもあり、広い駐車場が完備されていましたが、
もちろんのこと、1台の車も止まっていません。
早速、車を降りて滝があるほうに行こう、となった時、
一人の女の子が「ちょっと無理かも…」と言い出しました。
「え、どうしたの?大丈夫?」
「なんか、ここほんとにヤバい気がする…」
「マジ?霊感とかあるの?!」
「いや、そういうのはないんだけど、これより先に行っちゃいけない気がする…」
と女の子はその場に座り込んでしまいました。
「さすがにこの子一人では危ないから、私もここで待っとくね。」
そういって、一人の女の子もそこに残ることになりました。
そんなこんだで、霊的なものをあまり信じていない男2人と女の子1人で、
例の心霊スポットへ向かうことに。
その場所は、滝を1周囲むように遊歩道が作られており、
全長2kmほどの道が続いていました。
そして、その遊歩道は夜に人が来たとき用には作られていないので、街灯もほとんどありません。
そんな遊歩道を歩き始めたとき、
私は持っていたガラケーを取り出して、滝までの道中を動画で撮り始めました。
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