これは今から10年以上も前の話になります。
高校を卒業したばかりの私は、就職先のガソリンスタンドを辞めて、
日中はアルバイト、夜は地元の連中と飲み歩くという日々を送っていました。
地元の、いわばヤンキーと呼ばれる輩たちと絡んで過ごしており、
やんちゃなことをやっては、たまに警察にお世話になることもしばしば。
そんな私が過ごしていた地元は、マンガに出てくるような田舎町で、
周りは山に囲まれており、遊ぶ場所と言ったら、小さなゲームセンターぐらいでした。
そんな田舎町に住む連中がやれることと言ったら、
ゲーセンに溜まるか、誰かの家でたむろして、
暇を持て余すぐらいしかありませんでした。
そんな連中も高校卒業の時期になると、車の免許を取る奴らもでてきます。
そうなると行動範囲がぐっと広がり、遊びの幅もどんどん広がっていきました。
そんな時期に、一人の男友達と、女の子を誘って車でどっか遊びに行こうという話になりました。
そして、知り合いの女の子3人を誘って男2、女3の計5人でドライブに行くことに。
8月の夏真っ盛りの時期ということもあり、
どこか心霊スポットに行こうという話になり、目的地探しから始まりました。
ちなみに私の地元の県は、全国的にみても心霊スポットが多い場所でもありました。
そしてちょうどそのころ、地元連中のあいだで、
地元周辺にある心霊スポット巡りが流行っており、
私もいくつかの心霊スポットに足を運んでいた経験がありました。
私には霊が見えたりする第六感的なものはまったくなく、
そういった場所にいっても、暗くて怖いという恐怖感こそありましたが、
何かに取り憑かれたり見えたりという経験は、まったくありませんでした。
なので正直、幽霊的なものはほとんど信じていない側の人間でもあります。
そんな私を含む男女5人は、
地元でも3本の指に入るほどの心霊スポットを選び、
目的地に向かって車を走らせていました。
私はその当時はまだ車の免許を持っておらず、男友達が車の運転をしていました。
時間帯は24時を回っていたので、車どおりもまったくなく、
男女5人を乗せた車のヘッドライトが、街灯の少ない夜道を目を凝らすように照らしていました。
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