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呪い・祟り

ねこじろうさんによる呪い・祟りにまつわる怖い話の投稿です

お多福女ふたたび
短編 2026/06/01 06:31 118view

朝生はワインを回しながら言った。
「引っかかるどころじゃありません」

「ギャンブル、借金、家庭崩壊。底まで落ちた男です」

「そんな男が、偶然買った宝くじで十億を当てた」

「その翌日に死んでいる」

毒島は笑わない。
「それで?」

「普通は、死にません」
朝生は言葉を切る。

「その日の足取りはこうです」

「昼過ぎ、F商業ビルの旅行代理店へ」
「しばらく店内を歩き回り、最終的にドバイ行きを予約」

毒島の眉がわずかに動く。
「ドバイ」

「ファーストクラス。最上級ホテル」
「スタッフ曰く、上機嫌だったそうです」
朝生は続ける。

「その後、屋上へ」

「軽食をとり、ビールを飲み、ゲーム施設で遊んでいる」
「そして数分後、柵を越え、落ちた」

一瞬の間。

「――遺体は笑っていたそうです」

毒島は低く言った。
「気味が悪いな」

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

「ところで先輩、“お多福女”って知ってますか」
朝生が言う。

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