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二日後、午後九時。
東京、JR高架下の屋台。
毒島と朝生は並んで座り、おでんをつついていた。
客は二人だけ。電車が通るたび、店全体がわずかに揺れた。
「まだ引っかかってるのか」
毒島がビールを空ける。
朝生はワインを回しながら言った。
「引っかかるどころじゃありません」
「ギャンブル、借金、家庭崩壊。底まで落ちた男です」
「そんな男が、偶然買った宝くじで十億を当てた」
「その翌日に死んでいる」
毒島は笑わない。
「それで?」
「普通は、死にません」
朝生は言葉を切る。
「その日の足取りはこうです」
「昼過ぎ、F商業ビルの旅行代理店へ」
「しばらく店内を歩き回り、最終的にドバイ行きを予約」
毒島の眉がわずかに動く。
「ドバイ」
「ファーストクラス。最上級ホテル」
「スタッフ曰く、上機嫌だったそうです」
朝生は続ける。
「その後、屋上へ」
「軽食をとり、ビールを飲み、ゲーム施設で遊んでいる」
「そして数分後、柵を越え、落ちた」
一瞬の間。
「――遺体は笑っていたそうです」
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