あなたはこんな体験をしたことはないだろうか?
…夜一人部屋にいる時、突然明滅する蛍光灯。
…とっくに時節は過ぎたというのに、聞こえてくるセミの声。
…地震でもないのに畳に落ちる仏壇の遺影。
…そしてふとした時にフワリと鼻腔を掠める、亡き人の香り。
そんな時多分あなたは単なる不思議な出来事で済ませるだろう。
でももしこれらが意味のあることだとすると、、、
※※※※※※※※※※
会社で同期の篠原はで入社以来の長い付き合いなんだが、今年の秋口くらいからかれこれ二月くらい欠勤している。
最初のうちは単なる風邪くらいに思っていた。
でもいつまで経っても出社してこないので携帯に連絡を入れると、入院しているということだった。
それで12月最初の週末に、彼女の実奈と連れだって見舞いに行くことにしたんだ。
※※※※※※※※※※
病院は郊外の閑静な場所にひっそりとあった。
古びた病棟個室の窓際に横たわる篠原は、かつての面影さえ感じさせないくらいに変わり果てていた。
どちらかというと明るくてがっちりしたタイプだったのが、頬はこけ手足は枝のようになっている。
この姿を見た途端、俺は彼の病状がただならぬことを悟った。
俺と実奈は型通りの挨拶の後、ベッド横のパイプ椅子に座る。
実奈が見舞いの花を枕元のテーブルに飾っている間、俺は篠原としばらく他愛もない話をしていた。
そして会話が途切れた一時の間の後、篠原がボソリと呟く。
「胃ガンなんだ」
この話は怖かったですか?
怖いに投票する 0票



























※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。