輝美「え、嫌だったんですか?」
高場「藤間さんから連絡来た時、とんでもない大物だと直感的に思いまして、こういうのって大体あんまり触れない方が得なんですよね。知ってしまった所為で余計に死者が出たりする。…さっき見せた、顔面黒焦げのフランス人形もそうなんです。あの人形について調査してた女性二人は亡くなってます。西野さんが深掘りしてなければこうはならなかったと思いますよ」
高場さんは少し怒り口調で言う。
私「…私は、原因不明の死を止めたくて調べてるんです」
高場「こういうのは調べたって何も変わんないですよ。素人でもプロでも。大体、怪談仲間の岩田さんなら深掘りしない方がいいって判ってたでしょう」
輝美「私は怪談の為だったら命でも何でも差し出しますよ」
高場「はぁ…じゃあもう私は関係ないんで岩田さんと西野さんでどうにかしといてください。あんまり他人を巻き込まない方がいいですよ」
その後高場さんの家を出て、私と輝美は帰る事にした。もう辺りは暗くなっている。高場さんの家を出た時、窓に青白い肌の女性がいた気がしたがきっと気の所為だろう。
輝美「…これからどうする?」
私「どうするって……あ、さっき高場さんが藤間さんに『ちゃんと行なってくださいね』って言ってたよね。あれ、どういう事?」
輝美「…あれは、仕方のない事なの。稀にあるのよ、『触れてはいけない話』が。高場さんも言ってたでしょ?『知ってしまった所為で余計に死者が出る』。そういう、触れちゃいけない話にはとんでもない怨念が籠もっているの。怨念には、何かしら原因となる人物がいる。その怨念を鎮める為にはその怨念の対象の人物、又はその怨念の対象の人物の子孫が『生贄』にならないといけない。」
私「えっと、つまり…」
輝美「つまり、藤間さんは『生贄』って事。」
私「『生贄』って…何をするの?」
輝美「…恨み憎しみを抱いた方に謝罪して、命を差し出すの。」
私「藤間さんが助かる方法は無いの!?」
輝美「一応色々調べたんだけど、やっぱり解決策は見つからなかった。まぁ、もしあったら十七名も死人は出てない訳だし。」
私「そっか……生贄の儀式って、その少女の閉じ込められてた小屋でやるの?」
輝美「多分そうだと思う。」
私「私、生贄の儀式に着いて行く」
輝美「沙由香も?私も着いて行こうと思ってた。藤間先輩に電話してみる。」
輝美は鞄からスマホを取り出し、スピーカーをオンにして電話を掛けた。
藤間「もしもし、岩田?」
輝美「もしもし。藤間さん、アレ(生贄の儀式)には何時行くんですか?」
藤間「…ああ、出来るだけ早い方がいいと思って、明日の午前十時頃に家出て新幹線に乗るよ。アレの開始時刻は深夜零時ぴったりにやんなきゃいけないから、それまで暫くどっか安い宿でのんびりしようと思ってる。」
私「…怖くないんですか?」
藤間「あ、西野さんも居たんだ。…そりゃ死ぬのは怖いと思うさ。でも、謎に安心感みたいな物もあるな。」
私「そうですか…」
藤間「岩田。最後に一言だけ言わせてくれないか?」
輝美「その言い方はもう二度と会えない奴じゃないですか」

























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