・・・・・・・・・・・・
パッパの部屋から無事に財布を発見した。3500円ほど入っている。
クレジットカードもデビットカードもある。これで怖いモン無しや。無敵や。
どうせパッパの借金になるのだから、いくらでも使ってやるワイ。
・・・そういえば、パッパが普段着ている服がそのままだった。
財布もその中から見つけた。
いったいパッパは何を着て外に出たんやろ。
まぁいい、カネは用意できた。あとは・・・(ごくり)・・・
そ、外に出るのは何年ぶりだろう・・・。ちょっと怖い。
今は昼間だが、行くとしたら今しかない。
夜は停電のせいで真っ暗になって活動できないのだ。
それこそ寝るしかない。
おかげで最近は日が昇ると起き、日が沈むと寝るという、なんだか昔の人みたいな規則正しい生活になって、そのせいかこれまでになく体調が良い。
まぁそんなことはどうでもよい。
ドアポストの小さい窓から外を監視してみる。
誰も歩いていない。物音すらしない。静かだ。これはチャンスだ。
音をたてないようにゆっくりドアを開けていく。
ドアが開いていくのが人にわからないような、まるでアハ体験の間違い探しゲームみたいなゆっくりとしたスピードで開けていく。
片目だけ出してもう一度外の様子を見る。聞き耳を立てる。
大丈夫だ。ご近所の人たちはいないようだ。
帽子をかぶり、マスクをし、パーカーのフードをすっぽりかぶってソロリと外へ出た。
そこからはできるだけ静かに、足音を立てないように、だが、できるだけ足早にご近所を駆け抜けていく。つま先だけで走るバレリーナのような走り!!
誰にも姿を見られたくない。あぁ、透明になれたら・・・。
十字路に差し掛かる。ここまで誰とも遭遇していない。
誰にも会わないし、何の物音もしない。
クルマも走っていなければ、近所で犬が吠えるような鳴き声もしない。
ただ風がひゅーひゅー吹いているだけだ。空はずっと鉛色に曇っている。
太陽がどこにあるのかもわからない。
まぁその方が助かる。日差しは嫌いだ。汗はかきたくない。なんたって今は水もガスも止まっていて風呂に入れないのだ。
・・・もっとも、すでにここ1か月は風呂に入ってはいないが。
























Mameです。
今回の作品は狭い世界で生きる主人公に、突如として夢のような広い世界が与えられるとどうなるか、
その落差が楽しい作品となりました。
そしてラストは実験的なマルチエンディングとしました。
希望と絶望、そのどちらも楽しめます。
絶望を味わいたくない人は途中で見るのやめてください。
よかったら、あなたがどちらのエンドを選択したか、書き込んでくれると嬉しいです。