もしも彼らがワイのように生きているとしたらそれこそ悲惨や。
ワイが助けに行かない限り、密閉された空間で徐々に死ぬ運命や。
きっと必死にsosの電波を発信しとるはずや。
・・・残念ながらワイにはその電波を受信するチカラはない。
毒電波を発信することならできるんやが・・・。
そんなくだらないことを考えながら、やっとのことで顕微鏡を発見した。
プレパラートにスポイトで泥水を1滴落とす。
果たして結果は・・・
ミジンコはいなかった。
見えるのは植物プランクトンのみ。
この世界は徹底している。動物性のものが何一つ、単細胞生物すらいない。
この異世界の大前提は動物性の細胞が存在しないことを意味する。
この世界で動物性なのは、ワイだけや。ワイこそが唯我独尊なんや。
・・・細胞・・・
嫌な予感がする。
昔聞いたことがある。
人間の体の細胞は3年もあればすべて作り変えられるのだと。
古い細胞は死に、新しい細胞に生まれ変わるのだ。
だが、この世界では細胞というものが存在しない。
これがもし自分の体にも当てはまるなら・・・
自分の体は徐々に細胞が死んでいき、新たな細胞が生まれないということになる。
それはちょうど、放射線事故などで大量の放射能を浴び、細胞が自己再生能力を失ったのと同じ意味になる。髪は抜け、皮膚がただれ、口の中は口内炎だらけになっていく。
皮膚移植などしても無駄。新たな細胞が生まれないのだから。
ひーーん!!
そういえば髪の毛がどんどん抜けるような・・・いや、これは昔からか。
嫌なことは考えないことにした。
そもそももうこの世界に入って1週間以上たっているのに、自分は健康体だ。
そうだ、これは主人公補正に違いない。
つまり、ワイはこの世界の主人公なのだから例外的に平気なのだ。
そう納得することにした。

























Mameです。
今回の作品は狭い世界で生きる主人公に、突如として夢のような広い世界が与えられるとどうなるか、
その落差が楽しい作品となりました。
そしてラストは実験的なマルチエンディングとしました。
希望と絶望、そのどちらも楽しめます。
絶望を味わいたくない人は途中で見るのやめてください。
よかったら、あなたがどちらのエンドを選択したか、書き込んでくれると嬉しいです。