生命の秘密を解いたところで、この日は量販店へ戻った。
量販店に戻ってからは太陽電池とポータブル電源を設置して、売り場にあったテレビやノートパソコンも起動してみた。
が、やはりテレビ放送はどこもやっていない。NHKでさえやっていない。
パソコンも、結局インターネットにはつながらなかった。
くそっ! この異世界の唯一の欠点や。
そんなことをしてまた一日が過ぎた。
ベッドに横になりながら、食料のことを考えた。
この世界にはありとあらゆる食料があるが、それらは生鮮食料品から消滅していき、
徐々に食べられるものが減っていく。
カップ麺だって賞味期限は1年ちょっとだろう。
米に関しても、消費期限はあるはずだ。農協の倉庫を漁って大量のコメを手に入れたとしても、1年で古米、2年で古古米となっていく。しかも適切な管理体制はもうないのだ。
缶詰にしても、早いものなら2~3年、がんばってもせいぜい10年がいいとこか。
そのあとはどうなるのか?
10年もすれば食べられる食料はほぼこの世界から消える。
食料生産者がいないのだから。
この現状を打破するとしたら・・・答えは一つ。自分が生産者になるしかない。
この世界は動物は生まれないが、植物は育つ。
つまり、野菜作りは可能だ。
米もうまくいくかもしれない。
昆虫がいないから、受粉しなければならない果物は難しいかもしれない。
・・・もっともワイの手で受粉させてやればいいのだが。
でも・・・もう20年以上もヒキニートのワイが、いきなりの農業なんて・・・
いや、待て・・・ワイは今、この異世界に引きこもってるだけや。
なんのことはない。世界すべてがワイの部屋みたいなもんなんや。
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・・・翌日から、彼はまた精力的に活動しだした。
電動バイクを動かしてみたり、放置してあるバイクや車が動
くかテストしてみたり、また図書館に行って勉強する時間も
作った。もはや彼はヒキニートではない。

























Mameです。
今回の作品は狭い世界で生きる主人公に、突如として夢のような広い世界が与えられるとどうなるか、
その落差が楽しい作品となりました。
そしてラストは実験的なマルチエンディングとしました。
希望と絶望、そのどちらも楽しめます。
絶望を味わいたくない人は途中で見るのやめてください。
よかったら、あなたがどちらのエンドを選択したか、書き込んでくれると嬉しいです。